2020.12.15 ■T&D保険グループ 20年度第2四半期(中間)決算、純利益が218%の大幅増[2020年]

 T&D保険グループがこのほど発表した20年度第2四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比7.1%増の1兆1664億円となった。連結経常利益は同121.6%増の1500億円。親会社株主に帰属する中間純利益は、米国再保険持株会社フォーティテュード社の関連会社化に伴う持分法による投資利益の計上によって同218.0%増の1152億円と大幅に増加。当期純利益に対し、市場の変動により会計上生じる一時的な評価性損益等を一部調整し算出したグループ修正利益は、利息及び配当金等収入の減少により同4.4%減の336億円となった。連結ソルベンシー・マージン比率は前期末比21.9ポイント上昇し1128.9%。実質純資産は同差2236億円増の3兆451億円となった。
 中核生保3社(太陽生命・大同生命・T&Dフィナンシャル生命)合算の新契約価値は、堅調な契約業績により前年同期差69億円増の610億円となった。基礎利益は前年同期比9.8%減の771億円だった。
 新契約年換算保険料は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う営業自粛の影響から持ち直し、前年同期比0.6%増の484億円となった。このうち第三分野は同2.3%減の142億円。保有契約年換算保険料は前期末比0.5%減の1兆5305億円、うち第三分野は同1.4%増の2620億円となった。
 中核生保の業績を個社ごとに見ると、太陽生命の経常収益は前年同期比7.1%減の3923億円で、このうち保険料等収入が同5.3%減の3073億円だった。新契約年換算保険料は同10.1%減の146億円、うち第三分野が同2.3%増の78億円。年換算保険料のうち、主に貯蓄系商品を除いた保障性新契約年換算保険料は、保障ニーズの高まりやウィズコロナ時代に対応した営業活動の推進により、第2四半期では同30%増と好転。新型コロナウイルス感染拡大に伴う訪問活動の自粛等により、第1四半期の契約業績は減少したものの、第2四半期累計では77億円となり前年同期と同水準まで回復した。
 また、20年9月に発売した新型コロナウイルス感染症を含む所定の感染症を保障する感染症プラス入院一時金保険」が発売開始からわずか13日で1万件と好調だったことから、保障性保有契約年換算保険料は1539億円となり、前期末比0.4%増加した。
 大同生命の経常収益は前年同期比0.8%減の4931億円で、このうち保険料等収入は同1.9%減の3924億円だった。新契約年換算保険料は同15.7%増の234億円、うち第三分野は同6.9%減の63億円だった。
 新契約高は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言発令期間中の対面による営業活動自粛の影響等により前年同期から減少し、1兆6551億円となったものの計画どおり進捗している。保有契約高は第1四半期末と比較すると555億円純増しており、前期末からほぼ横ばいで推移している。
 T&Dフィナンシャル生命の経常収益は前年同期比14.4%増の1793億円、うち保険料等収入は同6.1%減の1388億円だった。新契約年換算保険料は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言発令による営業活動への影響等により同11.1%減の103億円となったものの、同宣言解除後には代理店の営業活動の再開により業績が回復し、計画どおり進捗した。
 20年9月には、「生涯プレミアムジャパン5」の販売を開始。同商品は特約の新設により軽度から重度までの介護・認知症に備えることができる一時払終身保険に進化し、販売は順調に推移した。保有契約年換算保険料は、前期末比4.0%増の1370億円、うち第三分野は2.8%増の28億円となった。
 20年度のT&Dホールディングス連結の通期業績・株主配当予想については、6月3日公表内容から変更なしとし、引き続き経常収益が1兆9600億円、経常利益が1830億円、親会社株主に帰属する当期純利益が1230億円、グループ修正利益が700億円との予想を維持した。