2020.11.30 ■SOMPOHD 20年度第2四半期決算、連結純利益は9%の減益[2020年11月19日]

 SOMPOホールディングスが11月19日に発表した2020年度第2四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比1.5%増の1兆9853億円となった。このうち、正味収入保険料はSompoインターナショナル(SI)の増収が寄与し同4.4%増の1兆5688億円となった。生命保険料は同2.4%減の1688億円。連結経常利益は損保ジャパンの損害率低下を主因に同21.6%増の775億円となった。連結純利益は同9.8%減の396億円。通期業績予想については、精緻化した新型コロナウイルス影響などを反映の上、予想を修正し、連結経常利益は2230億円、連結純利益は1400億円を見込むとした。修正連結利益は期初予想比130億円増益の2000億円を見込む。
 国内損保事業のうち、損保ジャパンの保険引受利益は、外出自粛を背景とした自動車保険の損害率低下を主因に前年同期比554億円増益の343億円となった。正味収入保険料は、ベースの販売力は安定しているもののコロナ影響や一過性要因を主因に減収となり、同3.0%減の1兆937億円となった。種目別では、火災が料率適正化・企業分野の増収などを主因に同1.2%増の1516億円。海上が同13.8%減の208億円。傷害は外出自粛影響等により旅行保険を中心に減収となり、同9.6%減の826億円。自動車は新車販売不振等の影響を受けたものの、レート改定効果等により増収となり、同0.1%増の5412億円となった。自賠責は同15.4%減の1232億円。その他は主力商品のビジネスマスタープラスが引き続き好調だったものの、大口契約の抜け等の一過性要因を主因に減収となり、同1.3%減の1743億円となった。その他のうち、賠償責任は同3.5%減の942億円。自賠責・家計地震を除いた合計では同1.2%減の9704億円となった。
 正味支払保険金は同5.2%減の5629億円。自賠責と家計地震を除いたE/I損害率は同5.3ポイント改善し、57.7%となった。正味事業費率(自賠責・家計地震を除く)は消費増税などにより事業費率が上昇した一方、社費は適切にコントロールした結果、同0.8ポイント増加の33.8%となった。コンバインド・レシオ(自賠責・家計地震を除く)は0.3ポイント低下し88.5%となった。
 資産運用損益は、ネット利息及び配当金収入が前年同期比73億円減の315億円、有価証券売却益が同161億円減の162億円となり、前年度の金利低下局面で債券を売却した影響の剥落などがあった結果、資産運用粗利益は同243億円減益の378億円となった。コロナ影響を除いたベースのネット利配はおおむね計画通りの進捗だとした。政策株式削減額は615億円。
 経常利益は同310億円増の644億円、当期純利益は自動車保険や傷害保険の損害率低下を主因に同209億円増の459億円となった。単体ソルベンシー・マージン比率は前年度末比2.8ポイント上昇し、720.1%だった。
 国内生保事業で、SOMPOひまわり生命は、新契約高(個人保険)は前年同期比23.4%減の9762億円、新契約年換算保険料は同5.8%減の113億円だった。保有契約高(個人保険と個人年金保険の合計)は同1000億円増の23兆6000億円。保有契約年換算保険料(個人保険と個人年金保険の合計)は同7億円増(うち保障性商品は同55億円増)の3789億円だった。保険料等収入はコロナの影響などを背景として同1.1%減の2153億円となった。事業費は同3.4%減の407億円、資産運用損益は同6.9%増の242億円で、基礎利益は同20.3%増の192億円、経常利益は同18.4%増の187億円。当期純利益は同26.3%増の119億円となった。上半期の状況を踏まえ、20年度当期純利益の通期業績予想は175億円に上方修正する。単体ソルベンシー・マージン比率は前年度末比92.2ポイント上昇し、1564.3%となった。
 介護・ヘルスケア事業等の業績は、経常利益は前年同期比10億円増益の51億円、純利益は同2億円減益の20億円だった。介護事業(SOMPOケア)の修正利益は現場職員への特別手当支給などコロナ関連費用などにより同2億円減益の23億円となった。
 海外保険事業では、収入保険料はSIの元受事業(除く農業保険)を中心に拡大し前年同期比1004億円増の4504億円、修正利益はSIにおけるコロナ関連の備金計上や利配収入減を主因に202億円減益の74億円となった。通期の修正利益は275億円(期初予想比235億円減)を見込む。
 なお、新型コロナウイルス感染拡大の中間期連結純利益への影響は、①国内損保における自動車保険事故率低下などによる+230億円②海外保険における信用保険などでの備金計上、ファンド利配減少などによる▲170億円、その他▲10億円―により+50億円だった。通期の影響については、期初予想が▲140億円だったが、今回予想では、①国内損保+120億円②海外保険▲190億円③国内生保+5億円④介護事業▲15億円―の内訳で合計▲80億円程度を見込むとしている。
 連結の通期業績予想については、精緻化したコロナ影響や海外自然災害の発生状況を踏まえ調整し、連結経常利益は2230億円(期初予想比変わらず)、連結純利益は1400億円(期初予想比▲100億円)と見込む。株主還元原資となる修正連結利益は期初予想比130億円増益の2000億円を見込むとともに、今期業績に対する株主還元については一株当たり配当金を170円(前年比20円増)に上方修正する。