2020.11.17 ■第一生命 来年、団体年金で新規受託再開へ、予定利率引き下げ、手数料率を見直し[2020年10月29日]

 第一生命は10月29日、近年の長期間にわたる低金利環境下でも生命保険会社が担う利率保証機能を発揮することを目的とし、2021年10月から、保険料率で予定利率と予定事業費率(手数料率)を引き下げた上で、団体年金保険(一般勘定)の新規受託を再開すると発表した。確定給付企業年金保険、厚生年金基金保険(Ⅱ)および新企業年金保険(Ⅱ)の一般勘定が対象。また、予定利率引き下げ後の代替ソリューションとして、一般勘定と特別勘定新商品「指数連動型配当口」を組み合わせた「特別勘定フロアセットプラン」を、21年10月から発売する。
 近年、国内債券の利回り低迷を受け、企業年金の運用で国内債券から為替ヘッジ付外国債券へのシフトが顕著となっているが、海外金利も低下傾向をたどっており、確定利回りを求める企業年金の顧客の代替投資先が喫緊の課題となっている。第一生命では一般勘定を受託し、生命保険会社として利率保証機能を提供しているが、長期の国内金利の低迷により、10年度から一般勘定の新規受託を抑制しており、確定利回りを求める顧客のニーズに応えられない状態が続いていた。今回、生命保険会社が担うことのできる利率保証機能を十全に発揮することが重要との考えの下、一般勘定の新規受託(増額を含む)を再開することとした。
 新規受託の再開に当たっては、現行の予定利率1.25%と国内金利水準との著しい乖離を解消する必要があることから、約款に定める基礎率変更権に基づき、すでに受託している一般勘定の年金資産を含め、予定利率を0.25%へ引き下げることとした。他方、同社が顧客からもらう手数料率を見直し(▲0.15%)、商品性を確保した。
 一般勘定の新規受託再開および保険料率の改定と同時に、特別勘定商品である指数連動型配当口と一般勘定を組み合わせた「特別勘定フロアセットプラン」を発売する。
 「特別勘定フロアセットプラン」は、一般勘定の残高の一部(3%程度)を移管して契約することで、ダウンサイドリスクを抑制しつつ、一般勘定と合算で従来の予定利率である1.25%相当の利回りを目指す商品。一般勘定に「運用期間10年・毎年分配型」の新しいタイプの特別勘定特約「指数連動型配当口」(ゴールドマン・サックス証券㈱と共同開発)を付加し、組み合わせて運用する。
 運用の仕組みは、①資産100を一般勘定97、特別勘定3の割合で組み合わせて運用を開始②一般勘定97は、年率0.31%(予定利率0.25%、契約者配当率0.21%、手数料率▲0.15%)の前提で運用した場合、10年後に約100になる(将来支払われる契約者配当率は変動し、0.21%未満の場合、10年後に100にならない可能性がある)③特別勘定3から分配金が生じた場合、一般勘定へ振り替え、運用する。また、特別勘定部分は順次減少し、運用成果にかかわらず10年後には0になる(分配金は変動し、0となる可能性もある)④資産全体では、年率1.25%を超える運用利回り(10年後に113.2)を目指す―というものになっている。