2020.10.19 ■第一生命 総合福祉団体定期に健診割引導入、「企業健診レポートサービス」を提供開始[2020年]

 第一生命は、企業等の福利厚生制度の充実と従業員の健康増進による健康経営の推進をサポートするため、従業員の健診結果を保険料に反映させる「無配当団体健康診断割引付総合福祉団体定期保険」を2021年4月から発売する。それに合わせ、この10月1日から「企業健診レポートサービス」の提供も開始した。
 「無配当団体健康診断割引付総合福祉団体定期保険」は、総合福祉団体定期保険に「総合福祉団体定期保険無配当扱団体健康診断割引付特約」を付加したもので、企業(団体含む。以下略)の健康診断の判定結果に基づき、企業における毎年の健診優良者率(健診優良者数/当保険の加入者数)に応じて契約時・更新時に保険料を計算する。割引の判定に当たっては、所定の「企業健診レポート」の提出を毎年必要としており、そのため同社ではこの10月1日からNTTデータと共同で、企業の従業員の健診情報をまとめた組織としての健康状態の把握や、健康診断結果のデータ化の促進を目的として、「企業健診レポートサービス」の提供を開始した。顧客企業向けに、従業員の健康診断の判定結果が一定の要件を満たす場合に、団体保険の保険料を割引く商品を提供するのは、生保業界初となる(20年8月現在、同社調べ)。
 健診優良者の判定条件は、①BMI(肥満度をあらわす体格指数):18.0以上27.0以下②血圧:最低血圧値が85㎜Hg未満かつ最高血圧値が130㎜Hg未満③血液検査(血糖値):受診日時点で39歳以下は要件なし、受診日時点で40歳以上はHbA1cが5.5%以下(HbA1cがない場合は血糖値が100㎎/?未満)―以上すべてに該当することとしている。
 団体健康診断割引の例として、▽被保険者数:500人(男女比率50%:50%、正社員350人、長期パート150人)▽平均年齢40歳▽保険金額:正社員700万円、長期パート100万円▽月払―のケースで、健診優良者率45%以上60%未満の割引料率を使用した場合の年間保険料は、193万4400円となり、割引がない場合と比べ12万4800円割引となることが示されている。健診優良者率が上がり所定の基準に達するとさらに割引となるが、15%未満の場合は保険料の割引はない。
 10月1日から提供を開始した「企業健診レポートサービス」は、従業員の健康診断結果データを所定のフォーマットでアップロードすることで、企業の健康状態の把握や、将来のリスク予測を可能とする。その上、BMI・血圧・血糖値に関して同社が定める基準に基づいた優良者判定も実施することができる。さらに、国立研究開発法人国立がん研究センターの「循環器疾患リスクチェックツール」を活用し、今後10年以内の循環器疾患(心筋梗塞・脳梗塞・脳卒中)の発症リスクを抱えた従業員の占率を企業ごとに予測できる機能を提供する。生命保険会社が企業向けに、企業ごとの循環器疾患のリスクを予測し、可視化するサービスを保険契約にかかわらず無料で提供するのは、生保業界初となる(20年8月現在、同社調べ)。第一生命ではこのサービスを通じ、企業の健康経営支援や、「健康経営優良法人の認定取得」に向けた、健診受診率や適性体重・血圧・血糖値の維持などの分析、評価・改善に活用してもらうとともに、健康診断結果のデータ化を促進していくとしている。
 なお、本サービスは、NTTデータが保有する医療・ヘルスケア分野におけるシステムやサービスのノウハウと、第一生命が生命保険事業を通じて得た保険医学の知見に基づいて共同で開発したサービスで、同社が無料提供するサービスとしてだけでなく、NTTデータが提供する有料クラウドサービス「Health Data Bank?」(注)内の基本メニューとしても利用できる。
 少子高齢化による労働力人口の減少や就業者の平均年齢の上昇に伴い、企業にとっては従業員が健康で長く働き続ける環境を整えることの重要性が高まっている。そのため、従業員の健康管理を経営課題として取り組んでいく「健康経営」の推進は、企業にとって不可欠なものとなっている。今回の商品は、第一生命が2019年に発売した「3大疾病サポート保険(団体型)健康経営割引」、本年新設した「団体定期保険健康経営割引特約」に続き、「企業の健康経営」を支援するもの。同社は引き続き、企業における従業員の健康増進に向けた商品やサービスの提供を通じて、顧客一人一人が望む幸せな人生や生き方の実現(=QOL向上への貢献)に向けて取り組んでいくとしている。
 (注)「Health Data Bank?」はNTTデータの登録商標。