2020.09.11 ■3メガ損保 20年度第1四半期決算、コロナ影響は予想の範囲[2020年]

 損保大手3グループの2020年度第1四半期決算を見ると、東京海上ホールディングスの連結四半期純利益は134億円減益の992億円となった。修正純利益は同66億円減益の1410億円。MS&ADインシュアランスグループホールディングスの連結四半期純利益は関係会社株式売却損失引当金戻入や連結納税導入の影響などの特殊要因もあり、7億円増益の966億円。グループ修正利益は308億円減益の820億円だった。SOMPOホールディングスの連結純利益は167億円増益の473億円と大幅増益となった。修正連結利益は162億円増益の712億円。
 東京海上HDは、20年度通期業績予想として、経常利益2650億円(19年度実績3639億円)、当期純利益1750億円(同2597億円)を8月7日に発表した。修正純利益は、新型コロナウイルスの影響を除いた実力ベースで4100億円のところ、同ウイルスの影響を▲1000億円と見積もっている。第1四半期については、連結純利益への新型コロナウイルスの影響は前年同期比▲293億円だった。このうち保険引受利益が同93億円増、資産運用利益が同▲386億円だった。この影響を除くと、同159億円の増益で、修正純利益も同222億円増益となる。
 MS&ADHDは20年度の業績予想について、連結純利益を1300億円、修正利益を1800億円としており変更はない。新型コロナウイルスの影響見通しについては、発生保険金の増加で約▲200億円、資産運用利益の減少で約▲600億円、純利益予想への影響を約▲640億円としていた。第1四半期の進捗についてはほぼ計画どおりとしている。新型コロナに起因する発生保険金は、国内損保子会社で21億円、海外保険子会社で118億円の合計140億円となった一方、自動車保険の発生保険金が226億円減少。
 SOMPOHDは20年度の業績予想を連結純利益1500億円、修正純利益1870億円としており変更はない。新型コロナウイルス感染拡大の連結純利益への影響額は、▲140億円程度(国内損保▲40億円、海外▲86億円、介護▲14億円)を見込むとしていた。第1四半期の新型コロナの連結純利益へのマイナス影響額は▲50億円程度としており、業績予想の範囲内で進捗している。損保ジャパンでは自動車保険の損害率低下を主因に保険引受利益が334億円増益した。