2020.09.02 ■スマートプラスSSI 開業で記者会見、「母子保険はぐ」提供開始[2020年8月24日]

 Finatextホールディングス子会社のスマートプラス少額短期保険(略称:スマートプラスSSI)は8月7日、少額短期保険業者として関東財務局への登録を完了した。8月24日に開かれた記者会見では、妊娠記録・日記アプリ「トツキトオカ」を運営するアマネファクトリーとの新保険サービス「母子保険はぐ」の提供開始を発表した。同商品は、「産前産後のママと生まれたその日から赤ちゃんを守る保険」で、妊娠中の入院や緊急帝王切開などの他、「自宅療養」や「産後うつ」を保障する。同社の中島真夫代表取締役CEOは「『トツキトオカ』を利用した広告展開を通じて、販売促進を進める」と述べた。

 「母子保険はぐ」は、妊娠中の入院や出産時の緊急帝王切開の他、今までの保険ではカバーできなかった「自宅安静」や「産後うつ」を保障する保険だ。
 同商品は、妊娠中(出産前)には入院や自宅安静、緊急手術を保障対象とするが、出産後には、産後うつ、入院・手術、子どもの入院・先進医療、他者とのトラブルを保障するものに内容が自動的に切り替わるのが特徴だ。
 「しっかり手厚くサポートプラン」(加入時年齢25歳)の場合の保障は、妊娠中の入院が入院一時金(1日以上)1万1000円、入院日額7000円(最大60日間)、手術が手術一時金2万9000円、切迫早産で自宅安静が通院一時金1万円となる。
 出産後の保障としては、入院が入院一時金(1日以上の入院)1万1000円、入院日額8600円(最大60日間)、産後・育児うつになった場合が通院一時金(最初の契約年度、その翌年度10回まで)3250円、通院一時金(最初の契約年度の翌々年度以降12回まで)4000円となる。
 また、子ども(0歳児)の入院が入院日額2800円(最大30日間)、子ども(0歳児)の手術が手術一時金1万円、子どもが先進医療を受けた場合に先進医療保険金を80万円まで支払う。家族の賠償責任が必要になった場合は個人賠償責任保険の保障額(1事故当たり)1000万円まで支払う。
 保険料については、シンプルサポートが月額950円、標準サポートが月額2990円、しっかり手厚くサポートが月額4950円となる。同商品は、スマートフォンのみで加入でき、最短1営業日で保障開始となる。また、保険金は診療明細書をアップロードするだけで請求可能。
 妊娠中は、いつ何が起きるか分からない状況が続く中で、妊婦は体の変化や無事に生まれてくるかといった心配事などの不安を抱えている。また、産後の女性のメンタルについては、専門医や自治体などで取り上げられることが増え、女性の「産後うつ」に対するメンタルケアの必要性が指摘されている。
 同商品のメディアパートナーのトツキトオカ内で行った約1000人の妊婦を対象にした妊娠・出産に関するアンケート調査では、9割以上の妊婦が「無事に出産できるか」など多くの不安を抱えていることが示された。
 さらに、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの妊婦や経産婦を対象にした調査でも、「自分の体のトラブル」や「妊娠・出産・育児による体の疲れ」といった健康状態への不安を感じているという結果が出ている。こうした背景から、同社では妊娠から産後まで母親の気持ちに寄り添いサポートできる同商品を開発した。
 スマートプラスSSIは今後、Finatextホールディングスとともに生活者の立場に寄り添い、「生活の中の困りごとを保険でどのように解消できるか」という視点で保険事業を展開していく。また、あいおいニッセイ同和損保からの出資を予定しており「生活者の不安にきめ細かく寄り添う保険」の提供を目指し、SNSやECサービスなど身近なオンラインサービスを提供するさまざまな企業と提携し、少額短期保険を開発・提供していくとしている。
 Finatextホールディングスは、「金融を“サービス”として再発明する」を掲げ、デジタル技術を活用して生活者のライフスタイルや価値観に寄り添う金融サービスを開発・提供している。同社は、「ユーザーファーストな金融サービス」を具現化する技術やビジネスノウハウを保険領域に生かすことで、保険を今よりもっと「人々にとって役立つもの、生活を豊かにするもの」にしたい考えだ。林良太代表取締役CEOは、世の中をより楽しく、暮らしを一歩前に進めるような商品開発を進める他、保険が寄り添うことで、新しい価値を生み出す世の中にしていくと述べた上で、「保険を何かを守るものではなく、暮らしを後押しするものに変えることをテクノロジーの力で実現していきたい」と語った。
【スマートプラス少額短期保険株式会社の概要】
 ▽所在地:東京都千代田区九段北3丁目2番地11号住友不動産九段北ビル4階▽代表者:代表取締役中島真夫▽設立:2019年4月22日▽株主:㈱Finatextホールディングスおよびあいおいニッセイ同和損保