2020.08.18 ■明治安田生命 20年度第1四半期決算、グループ・単体とも減収減益、実質純資産は増加[2020年8月7日]

 明治安田生命は8月7日、2020年度第1四半期の決算を発表した。同社ではコロナ禍の本年度は、新たに策定した「とことん!アフターフォロー特別計画」の下、顧客・従業員の安全確保と、保険金・給付金の支払いをはじめとする基幹業務の着実な遂行を前提に、業績目標は設定せず、顧客へのアフターフォローを徹底する経営を推進しているが、ソルベンシー・マージン比率は連結・単体ともに1000%を超え、実質純資産額は9兆8120億円と前年度末から3153億円増加し、引き続き高い健全性を維持している。第1四半期の業績は、グループ・単体ともに減収減益を示し、2020年度業績はグループ・単体ともに「減収減益」の見通しとしている。

 明治安田生命のグループ基礎利益は、明治安田生命単体の減少により、1145億円と前年同期比6・2%減益となったが、17年度以降の過去3カ年水準は維持した。
 連結経常収益は9390億円で同5・3%減だった。グループ保険料(連結損益計算書上の保険料等収入)は、6478億円と同11・6%減少した。海外保険事業の中心となるスタンコープ社(米国)は781億円で同6・2%増加したものの、明治安田生命単体が同13・7%減の5629億円となったことが影響した。
 連結経常費用は同6・1%減の8912億円、経常利益は同12・6%増の478億円、当期純剰余は同7・0%増の329億円だった。連結ソルベンシー・マージン比率は1113・1%と前年度末差で30・5ポイント下がったが、過去最高となった19年度決算と同水準の高い健全性を維持している。
 明治安田生命単体の業績では、基礎利益は1006億円と前年同期比9・6%減。営業職員数増加等に伴う人件費の増加、コロナ禍の企業活動への影響等に伴う団体保険の保険料収入の減少等が主因となった。
 経常収益は同6・7%減の8242億円だった。保険料等収入は同13・7%減の5629億円となった。このうち、個人保険・個人年金保険は同10・6%減の3670億円。営業職員チャネルは同9・0%減の3088億円。銀行窓販チャネルは同20・2%減の485億円だった。両チャネルともに新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言発令を受けた営業活動の自粛による影響が主因となって減少した。団体保険・団体年金保険は、前年同期に大口契約の保険料収入があったことの反動減により団体年金保険が減少したことが主因で同20・8%減の1842億円。
 個人保険・個人年金保険の新契約年換算保険料はやはり緊急事態宣言発令を受けた営業活動の自粛による影響等により、同35・9%減少し、156億円だった。このうち、営業職員チャネルは同37・4%減の132億円。また、銀行窓販チャネルは同26・6%減の20億円だった。なお、第三分野の新契約年換算保険料も同38・5%減の58億円だった。
 個人保険・個人年金保険の保有契約年換算保険料は前年度末比で0・7%減の2兆2108億円で、このうち、第三分野は同0・2%減の4444億円だった。
 資産運用収益は同17・3%増の2437億円となった。このうち利息及び配当金等収入は同0・9%減で1841億円。
 経常費用は同7・1%減の7842億円でこのうち保険金等支払金が同5・1%減の5542億円、責任準備金等繰入額が同22・1%減の408億円、資産運用費用が同20・1%減の702億円、事業費が同1・6%増の868億円だった。経常利益は同3・6%増の399億円、四半期純剰余は同7・2%減の277億円だった。
 単体のソルベンシー・マージン比率は前年度末差21・3ポイント下がったが1048・0%と引き続き高い水準を確保している。実質純資産額は9兆8120億円と前年度末から3153億円増加した。オンバランス自己資本は、3兆7415億円と前年度末から88億円増加し、引き続き高い健全性を維持している。
 一般勘定資産全体の含み損益は、前年度末差で4255億円増加し、6兆276億円となった。このうち国内株式の含み益は株価上昇に伴い、月中平均価格ベースで2兆1636億円と前年度末から4075億円増加。
 契約クオリティを示す総合継続率は、13月目は前年同期比0・5ポイント上昇し95・0%、25月目が同0・6ポイント低下の88・7%と高水準を維持するとともに、61月目は10・1ポイント上昇し71・4%と大きく向上した。