2020.08.14 ■日本生命 20年度第1四半期決算、グループ・単体共に減収減益[2020年8月7日]

 日本生命が8月7日に発表した2020年度第1四半期決算によると、グループの連結業績は前年同期比で減収・減益となった。保険料等収入は、日本生命の銀行窓販チャネル向け商品の販売減、大樹生命の一時払外貨建養老保険の販売減、ニッセイ・ウェルス生命の外貨建商品の販売減などを主因に減収。基礎利益は、傘下の豪MLCの減少や、日本生命の国内株式配当金の減少を主因とした利差益の減少などにより減益となった。国内個人保険・個人年金保険の新契約年換算保険料については、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた訪問活動の自粛により、保険料・件数・保障額等が前年同期比で大幅に減少した。

 グループ基礎利益の合計は前年同期比12・7%減の1225億円だった。豪MLCが前年同期比104億円減だったほか、大樹生命が外貨建保険の最低保証に係る責任準備金の繰入増を主因とした危険差益の減少で36億円減、日本生命が同31億円減、ニッセイ・ウェルス生命が円建年金の販売増加に伴う費用負担の増加等により同29億円減、はなさく生命が開業費用等に伴う支出増で同22億円減となっている。
 連結経常収益は同4・2%増の2兆99億円で、このうち連結保険料等収入は同13・7%減の1兆2288億円だった。国内では、営業職員等チャネルが訪問活動の自粛に伴う新契約の減少により減収となったほか、銀行窓販チャネルが海外金利の低下やコロナ禍を受けた銀行窓販チャネル向け商品の販売減少により減収。団体保険・団体年金保険は減収となったものの、保険料入金タイミングのずれ等の一過性要因を除けばほぼ横ばいだった。
 一方、資産運用収益は同63・1%増の7255億円だった。
 経常費用は同1・6%増の1兆8867億円で、このうち保険金等支払金は同0・3%減の1兆1332億円、資産運用費用は同34・4%減の1078億円、事業費は同5・2%減の1921億円となった。この結果、経常利益は同69・8%増の1232億円、四半期純剰余(利益)は同31・6%増の676億円となった。
 総資産は前年度末比2・9%増の82兆4344億円、責任準備金は同0・5%増の65兆7481億円だった。連結ソルベンシー・マージン比率は危険準備金・価格変動準備金の積み増しを通じた自己資本の強化に伴い、1080・0%と同32・5ポイント上昇した。実質純資産は自己資本の着実な積み増しに加え、内外株価の上昇による有価証券の含み益の増加により、同7・6%増の19兆7380億円となった。
 国内の保険料等収入は前年同期比13・8%減の1兆1803億円。個人保険・個人年金保険が同18・0%減の8054億円で、チャネル別では、営業職員等チャネルが同8・7%減の7115億円、銀行窓販チャネルが同53・8%減の938億円だった。団体保険は同5・7%減の725億円、団体年金保険は同6・2%減の2743億円だった。
 国内の個人保険・個人年金保険の新契約は、年換算保険料が同62・8%減の393億円、件数で同70・8%減の39万件、保障額等で同63・3%減の8133億円となった。このうち営業職員等チャネルの新契約年換算保険料は同60・6%減の219億円、件数で同70・9%減の37万件、保障額等で同63・9%減の7178億円だった。銀行窓販チャネルの新契約年換算保険料は同65・3%減の173億円、件数で同67・1%減の1万件、保障額等で同57・6%減の955億円となった。
 日本生命は新契約年換算保険料が同64・1%減の205億円、件数で同72・2%減の35万件、保障額等で同65・8%減の6535億円だった。大樹生命は新契約年換算保険料が同70・9%減の30億円、件数で同71・0%減の1万件、保障額等で同64・0%減の863億円。ニッセイ・ウェルス生命は新契約年換算保険料が同60・7%減の149億円、件数で同21・5%増の0万件(1万件未満)、保障額等で同0・8%減の654億円となった。
 国内の個人保険・個人年金保険の保有契約は、年換算保険料が前年度末比0・6%減の4兆4979億円、件数で同0・4%減の3603万件、保障額等で同0・9%減の177兆5551億円だった。
 このうち日本生命は年換算保険料が同0・8%減の3兆7318億円、件数で同0・4%減の3305万件、保障額等で同0・9%減の155兆8466億円。大樹生命は年換算保険料が同0・1%増の5149億円、件数で同0・6%減の258万件、保障額等で同0・6%減の18兆5580億円だった。ニッセイ・ウェルス生命は年換算保険料が同0・8%増の2465億円、件数で同1・2%増の33万件、保障額等で同0・5%増の3兆1328億円となった。
 団体保険の保有契約業績(保障額等)は国内計で同0・7%増の110兆7239億円で、日本生命は同0・9%増の98兆7717億円、大樹生命は同1・3%減の11兆9521億円だった。団体年金保険(受託資産等)は国内計で同1・6%増の17兆1406億円で、日本生命は同0・1%増の13兆4037億円、大樹生命は同0・3%増の7854億円となった。