2020.07.07 ■損保ジャパン、スマートドライブ 多様な「移動」を漏れなく補償[2020年6月23日]

 損保ジャパンと㈱スマートドライブ(東京都千代田区、北川烈代表取締役)は6月23日、業務提携契約を締結したことを発表、MaaSの進展などを背景として、従来の自動車保険のような「モビリティにつく保険」から移動手段の多様化に対応する「ヒトにつくモビリティ保険・サービス」を検討・開発していくとしている。

 近年、MaaSやCASEに代表されるモビリティ産業の大きな変革により、「所有から使用へ」という、顧客の移動に対する価値観や行動の変化が加速している。
 「ヒトにつくモビリティ保険・サービス」とは、レンタカーやバス、電車、自転車などのモビリティの利用状況をスマホに搭載されている各種センサーデータから取得し、抜け漏れなくかつ利用状況に応じた納得感のある保険料で補償するというもの。ターゲットとしているマイカーを持たない選択をした顧客向けに、さまざまな移動手段を利用する際の、個人のケガや賠償責任を補償する保険を想定している。
 MaaS分野の保険では、これまでモビリティサービス事業者やプラットフォーマー向けのBtoB商品が主だったが、今回検討・開発していく保険はBtoC向けの保険となる。一気通貫で抜け漏れの無い補償を提供するとともに、移動実績に応じて保険料が決まるようにして掛け過ぎの無駄を無くし、保険料の納得感が高い商品となるようにしていくという。
 損保ジャパンはこれまで、一時的な自動車利用の補償ニーズに応える時間単位型自動車保険「乗るピタ!」を開発し、自動車の「所有から使用へ」という変化に対応してきた。また、今後は自動車だけでなく自転車や公共交通機関など、あらゆる移動手段に対応する商品が必要になると予想されることから、顧客ニーズや必要となるデジタル技術を検証してきた。一方、スマートドライブは、移動に関するさまざまなデータを収集・解析し、業界・業種に関係なく、オープンにつながるプラットフォームをグローバルに展開している企業。移動に関するデータを取得しやすいデバイスの開発やそれらデータの社会における利活用やサービス開発まで一貫して行ってきている。
 このたび、移動サービスの領域において両社の強みを掛け合わせることで、顧客の安心・安全・健康を実現したいという方針が合致したことから、業務提携契約に至ったとしている。
 今後両社では、スマートドライブの移動に関するさまざまなデータの利活用のノウハウと、損保ジャパンの顧客の移動手段別の事故やトラブルのデータなどを掛け合わせて、収集データの精度検証を進めていき、顧客ごとのリスクに応じた「ヒトにつくモビリティ保険・サービス」の開発を推進していく。加えて、デジタルを活用した新たな顧客体験価値の向上も目指す。
 損保ジャパンでは、デジタル革命によるMaaSが生活インフラとなるスマート社会の実現や、産業構造の変革により急速に広がる顧客の価値観や生活スタイルの変化に柔軟に対応することで、顧客の安心・安全・健康に資する最高品質のサービスの提供を目指していくとしている。