2020.06.24 ■3メガ損保 19年度(20年3月期)決算 当期純利益は減益に[2020年]

 損保大手3グループの2019年度末(20年3月期)決算は、いずれも減益決算となった。東京海上HDの当期純利益は、国内外における自然災害の減少や北米資産運用の好調等の一方で、国内の異常危険準備金積増や北米のリザーブ積増等により、前期比5・4%減の2597億円だった。MS&ADHDの当期純利益は同25・8%減の1430億円。海外保険子会社が増益となったものの、国内損保で異常危険準備金や自然災害責任準備金の繰入負担が増加したことに加え、年度末にかけての新型コロナの影響を受けた株価急落による評価損やチャレンジャー社ののれん償却などによる。SOMPOHDは損保ジャパンや海外事業が好調だったものの、損保ジャパンの前年度の政策株式売却加速の反動などもあり連結純利益は同16・4%減の1225億円だった。〈2面に3グループ各社とAIG損保、共栄火災の種目別保険料・保険金の一覧表を掲載〉

 2020年度の業績予想については、東京海上HDは、新型コロナウイルスの影響額を合理的に算定することが困難なため未定としているが、新型コロナウイルスの影響を織り込まない補正ベースで連結純利益は2900億円程度(前期比約300億円増)、修正純利益は同4100億円程度(同約1200億円増)としている。ちなみに、20年1月~3月期の新型コロナウイルスの修正純利益への影響は、海外の保険引受で▲50億円、同資産運用で▲320億円、国内の保険引受で▲40億円、同資産運用で▲200億円だったとしている。
 また、MS&ADHDは20年度の業績予想について、連結純利益を1300億円(前期比130億円減)、グループ修正利益について1800億円(同531億円減)としている。新型コロナウイルスの影響見通しについては、発生保険金の増加(主に海外)で約▲200億円、資産運用利益の減少(国内外計)で約▲600億円、純利益予想への影響について約▲640億円(税後)を前提としたとしており、影響がより明らかになってきた段階で見直しを行うとしている。
 SOMPOHDは20年度の業績予想について、連結純利益を1500億円(前期比274億円増)、修正純利益を1870億円(同361億円増)と見込んでいる。新型コロナウイルス感染拡大などの連結純利益への影響額は、現時点で▲140億円程度(内訳は国内損保▲40億円、海外保険▲86億円、介護事業▲14億円)を見込むとしており、業績予想に織り込んでいない一定のシナリオ下で発現する可能性がある追加的な影響額について0~▲300億円と試算している。