2020.06.23 ■あいおいニッセイ同和損保 「近隣被災者対応費用保険」発売、賠償責任ない場合の支出を補償[2020年6月12日]

 あいおいニッセイ同和損保は、落雷、風災、雹(ひょう)災、雪災による事業者施設の損壊が原因で、近隣の建物等に損害が発生したことによって、事業者が信頼の回復または失墜防止のために支出した費用を補償する「近隣被災者対応費用保険」を6月12日から発売した。

 「近隣被災者対応費用保険」は、事業者の対象施設の落雷、風災、雹災、雪災による損壊が原因で、近隣の被災者の財物に損壊が生じたことにより事業者が支出した費用を補償する。事業者が法律上の損害賠償責任を負担する場合(例:台風により事業者施設の屋根が吹き飛び、隣家に直撃し窓ガラスが壊れた)は、この保険の対象外。
 対象となる損害は、①被災者が所有する財物の修復費用②①以外の社会通念上妥当な費用のうち、同社の承認を得て支出した必要かつ有益な費用―となる。
 支払限度額は、1事故・期間中1000万円。ただし、①②合算で被災者1人につき100万円。
 近年、自然災害が多発する中で、風災等による事業者施設の倒壊が原因で、近隣の建物等を損壊させてしまう事故が発生している。事業者が施設管理上の過失により法律上の損害賠償責任を負う場合は、加入している賠償責任保険で近隣の建物等の損害を補償することができるが、自然災害の場合、不可抗力として事業者が法律上の損害賠償責任を負わない場合がある。
 一方で、加害者である事業者は自社の信頼の回復または失墜防止のために、損害賠償責任の有無にかかわらず、近隣の建物等の損害を補償したいニーズが存在する。そこで、あいおいニッセイ同和損保では、こうした事業者のニーズに応えるために、落雷、風災、雹災、雪災による事業者施設の損壊が原因で、近隣の建物等に損害が発生したことにより、事業者が信頼の回復または失墜防止のために必要かつ有益な措置を講じることによって支出した費用を補償するものとして「近隣被災者対応費用保険」を開発した。
 補償対象を自然災害のうち、落雷、風災、雹災、雪災に限定し保険料の負担を下げ、加入できる業種を限定しないことで、より多くの事業者の人たちが加入できるようにした。
 同社は損害保険会社として自然災害への取り組みに注力し、今後も顧客のニーズに合致した商品の開発、提供を行っていくとしており、また、本商品の提案に合わせて、自然災害による建物の被害をリアルタイムで予測するウェブサイト「cmap.dev(シーマップ)」を案内することで、事業者の防災・減災に向けた取り組みを支援していくとしている。