2020.05.28 ■明治安田生命 19年度末(20年3月期)決算、グループ基礎利益が3年連続最高益[2020年5月22日]

 明治安田生命は5月22日、2020年3月期決算を発表し、「お客さま満足度」「連結ソルベンシー・マージン比率」が過去最高値を記録するとともに、グループ基礎利益が3年連続で最高益を更新するなど、成長性・収益性・健全性のバランスをとりながら企業価値の安定的、着実な向上を実現したと説明した。また、財務基盤の強化を通じて、引き続き高い健全性を維持しており、同決算を踏まえ、個人保険・個人年金保険で契約者配当率を4年連続で引き上げるとした。

 グループ保険料(連結損益計算書上の保険料等収入)は、明治安田生命単体で外貨建て一時払保険の販売が減少したことなどにより、前年度比5・5%減の2兆9118億円。グループ保険料のうち海外保険事業等は同2・6%増の3184億円だった。グループ保険料に占める海外保険事業等の割合も10・9%と前年度から0・9ポイント増加するなど好調に推移した。
 グループ基礎利益は、6355億円と前年度比で0・3%増加し、3年連続で過去最高益を更新した。明治安田生命単体で増益したことに加え、海外保険事業等が同11・7%増の651億円、とりわけスタンコープ社が同15・9%増加するなど貢献した。

 連結の経常収益は前年度比2・6%減の4兆733億円、経常費用は同0・7%増の3兆8198億円、経常利益は同35・1%減の2535億円、親会社に帰属する当期純剰余は同9・5%減の2078億円だった。連結ソルベンシー・マージン比率は1143・6%と前年度末差で103・5ポイント上昇し、引き続き高い健全性を維持している。
 新契約年換算保険料は1051億円と前年度比で25・6%減少した。このうち、営業職員チャネルは同24・0%減の908億円。また、銀行窓販チャネルは同39・2%減の117億円だった。両チャネル共、外貨建て一時払保険の販売下振れが影響した。

 保有契約年換算保険料は前年度末比で1・7%減の2兆2267億円で、このうち、営業職員チャネルは同0・5%減の1兆6359億円、銀行窓販チャネルは同5・3%減の5447億円となった。
 団体保険の保有契約高は前年度末比0・4%増の116兆3348億円で、引き続き業界トップシェアを堅持している。団体年金保険の保有契約高は7兆7864億円と同1・2%増加した。
 基礎利益は5916億円と前年度差で19億円増加し、3年連続で過去最高益を更新した。危険差、費差共に減少したものの、外債投信の分配金増加等の影響により、利差益が大幅に増加して増益を確保した。
 資産運用収支(一般勘定)は6425億円と前年度差で382億円減少した。利息及び配当金等収入は8716億円と同643億円の増加。運用手法多様化の一環として投資している外債投信からの分配金の増加と外国公社債の積み増しによる利息の増加等が寄与した。
 ソルベンシー・マージン比率は金融環境の変動等を受け、その他有価証券評価差額金が減少したものの、資産運用リスク相当額も減少したことなどにより、1069・3%と前年度末から86・0ポイント上昇した。オンバランス自己資本は内部留保の積み増しや国内劣後債の発行等により、3兆1053億円と前年度末差で1864億円増加した。実質純資産額は9兆4966億円と引き続き高い財務健全性を維持している。

 一般勘定資産全体の含み損益は、株価の下落で国内株式の含み益が減少したことにより、5兆6021億円と前年度末差で7728億円減少した。国内株式の含み損益は月中平均価格ベースで1兆7561億円(前年度末差5789億円減)だった。

 契約クオリティを示す指標は、積極的なアフターフォローにより引き続き良好な水準を維持。解約・失効・減額率は4・12%(前年度差0・34ポイント上昇)、総合継続率は、13月目が同0・3ポイント低下の94・5%、25月目が同0・8ポイント低下の88・7%となった。
 経常収益は前年度比3・2%減の3兆6478億円だった。経常費用は同0・5%増の3兆4123億円で、このうち保険金等支払金は同4・0%増の2兆2934億円、責任準備金等繰入額は同43・8%減の2615億円、資産運用費用は同57・8%増の3584億円、事業費は同1・3%増の3620億円。経常利益は同37・0%減の2354億円、当期純剰余は同10・1%減の2001億円だった。
 20年3月期決算における個人保険・個人年金保険の契約者配当は、基礎利益で過去最高益を更新した今回の決算状況等を踏まえ、4年連続で配当率を引き上げる。配当の増加対象契約は約138万件、増加額は約10億円。
 また、21年3月期業績については、同社グループ・単体共に減収減益の見通し。