2020.03.06 ■3メガ損保 19年度第3四半期決算,収保伸び損害率は改善基調[2020年]
損保大手3グループの2019年度第3四半期決算をまとめた。それによると各グループとも正味収入保険料を伸ばす一方、損害率は前年比で良好な推移を示している。東京海上HDの連結経常収益は前年同期比0・4%減の4兆948億円となった。正味収入保険料は円高の影響がある中でも、同3・0%増の2兆7102億円と基調は好調。MS&ADHDの連結経常収益は前年同期比増減なしの4兆1421億円。正味収入保険料は国内損保の増収により同1・9%増の2兆7253億円となった。SOMPOHDの連結経常収益は同3・8%増の2兆8277億円となった。正味収入保険料は損保ジャパン日本興亜と欧米の成績がけん引し、同3・9%増の2兆1471億円となった。
東京海上日動の保険引受利益は前年同期比77億円増益の362億円だった。火災保険・新種保険を中心に全ての種目で増収した一方、自然災害にかかる発生保険金の減少、円高進行に伴う外貨建支払備金の積増負担の減少が寄与した。正味収入保険料は同656億円、4・0%増の1兆6871億円。正味支払保険金は同169億円減少し、1兆393億円だった。
MS&ADHDの国内損保主要2社で、三井住友海上の保険引受利益は前年同期比374億円増の814億円、あいおいニッセイ同和損保は同66億円減の43億円となり、2社合計では同308億円増の857億円となった。正味収入保険料は、自然災害ロスの影響による再保険コストの増加があったものの、個人・企業ともに販売好調だった火災保険に加えて、自動車保険の増収等により、2社合計で同2・9%(606億円)増の2兆1162億円となった。三井住友海上は同1・9%(218億円)増の1兆1535億円、あいおいニッセイ同和損保は同4・2%(387億円)増の9626億円だった。正味支払保険金は三井住友海上が同11億円増の6783億円、あいおいニッセイ同和損保が同366億円減の5514億円となっている。
損保ジャパン日本興亜の保険引受利益は、前年同期比370億円減益の268億円となった。良好な損害率を背景とした異常危険準備金取崩し額の減少や再保険コスト増・消費増税の影響による。異常危険準備金にかかる影響を除いたコア保険引受利益は、前年同期の▲402億円から429億円増益の27億円となる。正味収入保険料は、火災保険、自動車保険が増収をけん引、中小企業向けの新種保険も引き続き好調だったところから同2・5%増の1兆6544億円となった。正味支払保険金は同734億円減少し、9699億円となっている。
〈2面に3メガ各社とAIG損保の種目別保険料・保険金の一覧表を掲載〉