2020.02.21 ■MS&ADHD 19年度第3四半期決算、四半期純利益は54%増の2699億円[2020年2月14日]

  MS&ADインシュアランスグループホールディングス(MS&ADHD)が2月14日に発表した2019年度第3四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比で増減なしの4兆1421億円となった。損保の正味収入保険料は国内損保の増収により同1・9%増の2兆7253億円となった。経常利益は同11・4%増の2647億円。四半期純利益は自然災害ロスが減少した国内損保とMSアムリンを中心とした海外子会社の増益により、同54・2%(948億円)増の2699億円となった。国内損保は自然災害ロスの減少を主因に保険引受利益が前年同期比294億円増の増益となった。三井住友海上の海外事業再編に伴い発生した価格変動準備金取崩益もあり、四半期純利益は同331億円増の2075億円となった。
 国内損保主要2社の業績で、保険引受利益は三井住友海上が前年同期比374億円増の814億円、あいおいニッセイ同和損保が同66億円減の43億円となり、2社合計では同308億円増の857億円だった。
 正味収入保険料は、自然災害ロスの影響による再保険コストの増加があったものの、個人・企業ともに販売好調だった火災保険に加えて、補償の充実化提案やドラレコ型保険の新商品販売等による自動車保険の増収等により、2社合計で同2・9%(606億円)増の2兆1162億円となった。三井住友海上は同1・9%(218億円)増の1兆1535億円、あいおいニッセイ同和損保は同4・2%(387億円)増の9626億円だった。
 三井住友海上の正味収入保険料を種目別に見ると、火災は同1・7%増の1504億円、自動車は同1・8%増の5006億円、自賠責は同5・5%増の1397億円、その他は同3・9%増の2088億円と前年同期実績を上回った。海上は同1・0%減の463億円、傷害は同3・5%減の1075億円だった。
 正味支払保険金は同0・2%増の6783億円。正味損害率は同1・1ポイント減少し64・5%、家計地震・自賠責を除いたEI損害率は同4・3ポイント低下し61・4%、正味事業費率は同0・2ポイント増加し、31・6%となった。コンバインド・レシオは同0・9ポイント減少して96・1%だった。
 あいおいニッセイ同和損保の正味収入保険料の種目別では、火災は同12・4%増の1526億円、自動車は同3・9%増の5333億円、自賠責は同4・4%増の1238億円、その他は同2・5%増の1036億円と前年同期実績を上回った。海上は同9・7%減の57億円、傷害は同10・7%減の434億円だった。
 正味支払保険金は同6・2%減の5514億円。正味損害率は同6・3ポイント減少して62・5%、家計地震・自賠責を除いたEI損害率は同8・5ポイント低下し63・4%、正味事業費率は同0・9ポイント増加し34・3%となった。コンバインド・レシオは同5・4ポイント減少して96・8%だった。
 国内損保主要2社の資産運用・その他収支は、有価証券売却益の減少等により、同289億円減の1440億円となった。三井住友海上は同459億円減の867億円、あいおいニッセイ同和損保は同169億円増の572億円だった。
 2社合計の経常利益は同0・8%(18億円)増の2298億円で、三井住友海上は同4・8%(84億円)減の1682億円、あいおいニッセイ同和損保は同20・0%(102億円)増の615億円となった。2社合計の四半期純利益は同342億円増の2071億円。三井住友海上は同265億円増の1616億円、あいおいニッセイ同和損保は同76億円増の455億円だった。ソルベンシー・マージン比率は三井住友海上が前年度末比38・1ポイント上昇して761・3%、あいおいニッセイ同和損保が同57・3ポイント上昇して745・5%となった。
 国内生保事業で、三井住友海上あいおい生命の新契約高(個人合計)は、法人向け商品の減少等により、前年同期比37・1%減の1兆5492億円となった。新契約年換算保険料は同42・7%減の217億円で、このうち第三分野は引き続き好調で11・8%増の147億円となった。保有契約高(個人合計)は前年度末比0・2%減の24兆4836億円、保有契約年換算保険料は同3・9%増の4485億円で、このうち第三分野は同25・6%増の1354億円だった。
 グロス収入保険料は、三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保からの第三分野長期保有契約移行による増収影響等を主因に、前年同期比145億円増の3828億円となった。経常利益は同6・7%増の148億円、四半期純利益は同6・6%増の69億円だった。
 三井住友海上プライマリー生命の新契約高(個人合計)は同19・7%減の6894億円、保有契約高(個人合計)は前年度末比4・6%増の6兆9884億円だった。グロス収入保険料は、外国金利の低下による販売マーケットの縮小などにより定額商品が減収、変額保険も減収となったことから、前年同期比1613億円減の6818億円となった。経常利益は同33・3%減の171億円、四半期純利益は前年同期並みの同1億円増の188億円となった。
 海外保険子会社業績では、正味収入保険料は、為替影響を除くベースでMSアムリンを中心とする欧州などが増収した一方、円高ポンド安などの為替影響により、前年同期比1・5%(86億円)減の5819億円となった。四半期純利益は株式と債券ファンド等の資産運用が好調だったMSアムリンで前年同期比182億円増の増益になったことに加え、海外生保が同16億円増の増益となったことから、同114億円増の300億円となった。