2020.02.19 ■日本生命グループ 19年度第3四半期決算、連結で減収・減益に[2020年2月14日]

 日本生命が2月14日に発表した2019年度第3四半期決算によると、グループの連結業績は、前年同期比で減収・減益となった。保険料等収入は、外貨建保険商品の販売および団体年金保険の減少を主因に減少。一方、基礎利益は、保険料率改定の影響を主因に減少となった。また、MLC Limited(以下、MLC)の業績悪化に伴うのれんの減損損失298億円を計上した。
 日本生命グループの保険料等収入は、前年同期比3・0%減の4兆2775億円だった。海外金利低下により、外貨建保険商品の販売が減少したことや団体年金保険の減少を主因に減収。一方で、ニッセイ・ウェルス生命では、生存保障重視タイプの商品や介護保障付商品の販売増加等により、保険料等収入は増加した。
 グループの基礎利益は、同12・3%減の4714億円。保険料率改定の影響を主因に減益となった。円高による外国債券利息等の減少や、MLCでの所得補償保険の支払増加により減少幅が拡大した。大樹生命では、海外金利の低下によって、外貨建保険の最低保証に係る責任準備金の繰入が増加。はなさく生命は開業に伴う初期投資により▲57億円。
 連結経常収益は、前年同期比0・6%減の5兆9342億円に減少した。このうち保険料等収入が4兆2775億円だが、資産運用収益は同5・7%増の1兆4174億円を計上した。経常費用は同2・0%増の5兆7204億円で、このうち保険金等支払金は同0・5%減の3兆3469億円、責任準備金繰入額は同19・4%増の1兆2382億円、資産運用費用は同24・2%減の2590億円、事業費は同0・2%減の6057億円だった。これらの結果、経常利益は同40・5%減の2137億円に減少、これに特別損益などを加減した中間純剰余は同29・4%減の1475億円に減少した。なお、特別損失は同16・3%減の1065億円だったが、このうちMLCの業績悪化に伴うのれんの減損損失298億円が含まれている。
 グループの総資産は、前年度末比4・0%増の81兆9341億円に増加した。責任準備金も同1・9%増の65兆3147億円となった。連結ソルベンシー・マージン比率は、諸準備金等の積増や劣後ローン調達を通じて、自己資本を着実に積増したこと等により、前年度末の997・3%から45・7ポイント上昇の1043・0%となった。また、実質純資産は、自己資本の積増に加え、株高等により有価証券の含み益が増加したことを主因に、前年度末から7・6%増の20兆7708億円となった。
 国内の保険料等収入は、前年同期比2・9%減の4兆1135億円で、このうち個人保険・個人年金保険は同4・0%減の2兆9219億円にとどまった。チャネル別では、営業職員等チャネルは、海外金利の低下による大樹生命での一時払外貨建養老保険の販売減少を主因に6・4%減の2兆3886億円に減収。銀行窓販チャネルは、ニッセイ・ウェルス生命の生存保障重視タイプの商品や介護保障付商品の販売増加等により、同8・4%増の5332億円と増収した。また団体保険は同6・9%減の2012億円、団体年金保険は同6・9%減の8589億円と減収した。
 国内の個人保険・個人年金保険の新契約は、年換算保険料は法人向け商品の販売減少を主因に前年同期比12・1%減の3108億円と大幅に減少をみせた。また、保障額等は、大樹生命の外貨建保険商品の販売減少により同5・1%減の7兆161億円となった。一方、件数については、日本生命での新商品「入院総合保険“NEW in 1”」(2019年4月発売)の好調な販売に伴う保障見直しの増加により同1・4%増、399万件と増加した。
 営業職員等チャネルの新契約年換算保険料は、前年同期比19・0%減の1831億円、件数は同1・6%増の391万件、保障額等は同5・3%減の6兆4212億円。銀行窓販チャネルの新契約年換算保険料は、同0・0%減の1277億円、件数は同7・6%減の8万件、保障額等は同3・3%減の5948億円だった。
 日本生命の新契約年換算保険料は、前年同期比12・2%減の1843億円、件数は同1・6%増の379万件、保障額等は同1・3%減の6兆1757億円。大樹生命の新契約年換算保険料は、同36・6%減の256億円、件数は同21・8%減の14万件、保障額等は同27・7%減の6235億円だった。ニッセイ・ウェルス生命の新契約年換算保険料は、同4・3%減の987億円、件数は同17・1%増の2万件、保障額等は同22・3%減の2168億円となった。
 国内の個人保険・個人年金保険の保有契約は、年換算保険料が前年度末比0・2%増の4兆5433億円、件数が同2・9%増の3581万件と増加したが、保障額等が同1・1%減の180兆782億円と減少した。
 日本生命の保有契約年換算保険料は前年度末比0・4%増の3兆7616億円、件数は同3・1%増の3285万件、保障額等は同0・9%減の157兆8536億円となった。大樹生命の保有契約年換算保険料は同0・1%減の5221億円、件数は同0・1%増の260万件、保障額等は同2・8%減の19兆492億円。ニッセイ・ウェルス生命の保有契約年換算保険料は同2・6%減の2575億円、件数は同2・8%増の32万件、保障額等は同0・4%減の3兆1752億円だった。
 団体保険の保有契約実績(保障額等)は前年度末比0・6%増の110兆3641億円。このうち、日本生命は同1・1%増の98兆1821億円、大樹生命は同3・3%減の12兆1819億円だった。団体年金保険(受託資産等)の国内計は、ニッセイアセットマネジメントの投資顧問残高(2兆5024億円)、確定拠出年金の投資信託(日本生命販社分4874億円)を含め、同2・5%増の17兆2058億円だった。