2019.12.03 住友生命 19年度第2四半期決算、連結基礎利益は前年並み

住友生命が11月22日に発表した2019年度第2四半期(上半期)決算によると、住友生命グループの新契約年換算保険料は前年同期比3・5%増の1136億円、保有契約年換算保険料は前年度末比0・3%増の2兆7895億円となった。また、連結基礎利益は前年同期比0・3%減の2026億円と前年並みの水準となった。中期経営計画の最終年度である本年度は、ブランド戦略の中核をなすCSVの実現に向け、CSVプロジェクト、健康増進型保険「住友生命『Vitality』」、健康経営のさらなる推進などに取り組み、健康寿命の延伸に貢献するとともに、顧客本位の業務運営を推進して住友生命グループ全体の企業価値向上を図る。

住友生命グループの新契約年換算保険料は前年同期比3・5%増の1136億円となった。このうち、国内事業は一時払終身保険の販売減の影響などにより減少し、同5・2%減の624億円と前年同期比を下回った。住友生命は同5・7%減の594億円(このうち第三分野は15・0%減の199億円)、メディケア生命は同6・5%増の30億円だった。海外事業(シメトラ)は、企業保険部門の販売増により同16・5%増の511億円と増加した。
住友生命グループの保有契約年換算保険料は、海外事業(シメトラ)の増加の影響などにより、前年度末比0・3%増の2兆7895億円。国内事業は同0・4%減の2兆3544億円で、住友生命は同0・5%減の2兆3141億円(このうち第三分野は同0・4%増の5552億円)、メディケア生命は同5・4%増の402億円だった。海外事業(シメトラ)は同3・7%増の4351億円となった。
住友生命グループの保険料等収入は前年同期比2・5%減の1兆2526億円。国内事業が同3・3%減の1兆1631億円と一時払終身保険の販売減の影響が大きく、減少した。住友生命は同3・6%減の1兆1434億円と前年同期実績を下回った。メディケア生命は同14・9%増の196億円と大幅な伸びを示した。海外事業(シメトラ)は同9・9%増の895億円で、保険契約の保有増を主要因として増加した。
住友生命グループの基礎利益は、国内事業において前年同期比増加、海外事業において減少し、同0・3%減の2026億円と前年並みの水準となった。国内事業は同0・6%増の1855億円。住友生命は同0・2減の1894億円で、団体保険の料率改定などの減少要因があった一方で、外国債券の積み増しなどにより運用収支が増加した。メディケア生命は▲39億円だった。海外事業(シメトラ他)は同12・4%減の176億円だった。
住友生命単体の利息及び配当金等収入は、公社債や貸付金などの利息収入が減少したものの、海外クレジット資産の積み上げ効果や国内株式からの配当収入の増加などにより、同0・7%減の3152億円と前年並みの水準となった。
連結ソルベンシー・マージン比率は991・6%で、前年度末比76・0ポイント増加し、十分な健全性を維持している。
住友生命グループのEEV(ヨーロピアン・エンベディッド・バリュー)は同122億円減の3兆6867億円。新契約獲得や保有契約からの収益確保など保険事業のプラスの成果がある一方、国内金利低下などによるマイナスの影響があり、前年度末比ではおおむね横ばいとなった。
住友生命は、中期経営計画の最終年度である本年度は、顧客やマーケットに向き合い、ブランド戦略の中核をなすCSVの実現に向けて取り組みを加速させている。CSVプロジェクトの主軸に据えている「住友生命『Vitality』」は、18年7月の発売から累計で約35万件を突破し、加入前よりも健康を意識するようになった人が93%(同社によるアンケート調査結果)、加入者の1日当たりの歩数が平均17%増加(18年9~11月契約の19年5月末時点の状況)、血圧が10ミリHg以上下がった人が48%(18年9~11月契約のうち、加入時の収縮期血圧が140ミリHg以上の人が対象)など、顧客の意識・行動変容につながっている。また、同社のアンケート調査結果では84%の人が「『Vitality』に加入して生活の質が高まったと感じる」と回答しており、健康状態だけでなく生活の質の向上にも寄与している。
さらに、現在の11社のリワードパートナーに加え、2社のフィットネスジム(㈱ウェルネスフロンティア、㈱ティップネス)と新たに業務提携し、20年春からサービスを開始する予定で、今後もさまざまな顧客ニーズへの対応を検討していく。また、4月からは健康増進を世の中に広めていく活動の一環として、世界各国の人々に親しまれている運動コミュニティーイベント「parkrun」に協賛しており、現在までに全国8カ所で開催し、参加者は延べ6000人以上に上る。3年間で100カ所での開催を目指して展開していくとしている。
同社では、リワードパートナーであるソフトバンク、ルネサンスの協力・支援の下、職員の健康に対する意識向上や習慣の定着を目的とした体組成計と健康アドバイスアプリを活用した取り組みをスタートしており、健康経営のさらなる推進にも取り組んでいく。