2019.11.22 第一生命HD 19年度第2四半期決算

第一生命ホールディングスが11月14日に発表した2019年度第2四半期決算によると、連結保険料等収入は前年同期比5%減の2兆4588億円となった。ただし、対予算では順調な進捗(しんちょく)となっている。このうち第一生命の保険料等収入は4%の増加、海外事業も10%の増加で、米国とオーストラリアでの買収効果などにより、円高環境の中でも円ベースでの保険料等収入増加に貢献した。一方、第一フロンティア生命では、23%の減収となった。グループ基礎利益は前年同期比16%減の2591億円の減益。第一生命で円高の進行に伴う外国債券からの利息配当金等収入が減少したことを主因とするが、こちらも対予算では順調に進捗。親会社株主に帰属する四半期純利益(連結純利益)は同21%減の917億円となった。第一フロンティア生命で海外金利の低下に伴う解約返還金の増加に備えた責任準備金の積み増しが発生し、これを主因として減益となった。海外事業については、買収効果などにより順調に推移しており、純利益は337億円、同56%増の増益となった。

国内グループの営業業績は保障性商品の販売が好調で、第一生命のジャスト、ネオファースト生命の医療保険などの販売が順調。保障性商品の新契約年換算保険料は374億円で同18%増となっている。グループ修正利益(第一フロンティア生命の責任準備金の積み増し等会計上の一時的な評価の変動損益は含まず)は、同45%増、1818億円の増益となった。
第一生命グループの連結主要業績をみると、連結経常収益は米国プロテクティブの資産運用収益増加などにより、前年同期比2%増の3兆6561億円となった。
連結経常利益は同10%減の1937億円。グループ修正利益は、第一生命の基礎利益が減少した一方、第一フロンティア生命が大幅増益となったほか、海外生命保険事業の利益改善が寄与し、第一生命の市場変動に伴う増益要因を除いても増加となった。
新契約年換算保険料はグループ全体で同40・2%減の1525億円、国内3社計では同46・3%減の1128億円となった。国内は、7月までの経営者保険の販売停止などにより大きく減少したが、第一生命・ネオファースト生命ともに第三分野商品販売は順調に拡大し、経営者保険以外の第三分野商品は306億円を計上、前年同期比15%増だった。新契約価値にも第三分野は貢献したが、販売停止や金利低下に第一フロンティア生命特有の要因もあり、全体は同30%減の559億円に減少した。
グループ全体の保有契約年換算保険料は前年度末比0・2%減の3兆9489億円だった。国内3社計では同0・5%減の3兆764億円。第一生命は同0・6%減の2兆1171億円で、このうち第三分野は同1・3%増の6843億円となった。第一フロンティア生命は同0・6%減の8226億円、ネオファースト生命は同1・2%増の1366億円だった。
グループ各社の業績を見ると、第一生命は経常収益が前年同期比206億円減の1兆8070億円となった。このうち、保険料等収入は同413億円増の1兆1615億円、資産運用収益が同496億円減の5526億円だった。
経常費用は同391億円減の1兆6094億円で、このうち保険金等支払金は同356億円減の1兆435億円、責任準備金等繰入額は同657億円増の1078億円、資産運用費用は同601億円減の1264億円、事業費は同18億円増の1963億円だった。
経常利益は同184億円増の1976億円、四半期純利益は同122億円増の1063億円と増加した。
新契約年換算保険料は同7・3%減の427億円と減少したが、保障性商品の販売が堅調に推移し、経営者保険以外では第三分野を中心に増加をみせた。
基礎利益は同331億円減の2037億円で、円高・低金利環境継続などの影響により、順ざやが減少したことなどから減益となったが、期始見通しに沿った動きで、中間純利益には、金融派生商品損益など、市場変動に伴うキャピタル損益の改善が寄与している。
第一フロンティア生命は経常収益が同1352億円増の1兆2404億円となった。このうち保険料等収入は同2059億円減の7081億円となった。海外金利の低下に伴い外貨建て保険の販売が減少したもの。ただし、銀行窓販市場でのシェアは引き続きトップクラスとなる見込みとしている。資産運用収益は同98億円減の1811億円だった。経常費用は同1879億円増の1兆2788億円で、このうち保険金等支払金は同6476億円増の9795億円、責任準備金等繰入額は同6963億円減の14億円、資産運用費用は同2426億円増の2607億円、事業費は同55億円減の321億円となった。
経常利益は同527億円減の▲384億円、四半期純利益は同476億円減の▲412億円だった。
新契約年換算保険料は同37・8%減の657億円で、昨年度に販売が好調であった反動などから減少しているが、期始の想定内での進捗。市場価格調整(MVA)に係る損益の影響により、中間純利益は赤字となったが、事業利益は354億円の増益となり、MVAに係る損益を含まない修正利益も、運用期間満了を迎えた年金の危険準備金戻入などの寄与により、454億円と大幅な増益となった。
ネオファースト生命の新契約年換算保険料は同92・5%減の43億円。新契約年換算保険料は、昨年度に販売が拡大した経営者保険の販売停止により大きく減少したが、主力の医療保険など第三分野商品は、新契約年換算保険料が15億円増の40億円、保有契約年換算保険料が36億円増の137億円とともに順調に拡大している。修正利益は、医療保険の販売拡大に伴う事業費の増加から▲67億円と減益になった。
第一生命のソルベンシー・マージン比率は前年度末比54・6ポイント上昇して1025・4%と引き続き高い水準を維持している。第一生命ホールディングスの連結ソルベンシー・マージン比率は同66・8ポイント上昇して936・5%。