2019.11.15 損保ジャパン日本興亜 AI自動修理見積サービス開始、スマホで撮影

 損保ジャパン日本興亜は11月から、顧客が撮影した自動車の損害箇所の画像を人工知能(AI)で解析し、リアルタイムで概算修理金額の見積もりをするAI自動見積サービス「SOMPO AI修理見積」を開始した。自動車の修理金額を見積もるAI自動修理見積サービスの実用化は業界初(同社調べ)で、「事故車両の損害箇所をスマートフォンで撮影することで修理額を瞬時に算出するシステム」として、現在特許出願中。

 本サービスの利用方法は、契約者が損保ジャパン日本興亜のLINE公式アカウントを友だちに追加し、トークルーム内の「LINEで受付」から事故を連絡。すると、LINEでの事故連絡受付後、事故状況に応じて、本サービスがチャット上に自動送信される(事故担当者から送信する場合もある)。
 そこで「撮影+AI修理見積」を選択し、損害箇所を選択して撮影を行うと、AIが画像データから概算修理金額を算出。撮影した画像と概算修理金額が事故担当者へ送信され、事故担当者が画像および概算修理金額を基に、支払い対象となる保険金をチャット上で案内する―という流れ。
 従来、自動車の修理金額の見積もりをとるためには、修理工場への持ち込みや、保険会社の事故担当者による立会調査が必要だった。修理金額は顧客の保険請求判断に大きな影響を与えるため、迅速に案内する必要があるものの、修理金額の案内には事故受付から1~2週間程度の時間がかかっており、保険金の支払いまでに時間を要する一因となっていた。
 このような背景から、損保ジャパン日本興亜は、チャット上での撮影機能とAIによる画像認識技術を用いて、自動車事故のAIによる自動修理見積サービスを開発したもの。本サービスにより顧客は画像の撮影から約30秒で概算修理金額を確認することができ、保険金の支払い手続きも最短30分程度に短縮可能となる。また、本サービスは、顧客から高い評価を得ている「LINEを活用した保険金請求サービス」から利用することで、顧客の一層の利便性向上を実現することにもなる。
 システムの開発は、AI修理見積システムの開発が㈱イードリーマー(代表取締役CEO:山下亮)、チャットシステムへの実装が㈱オプト(代表取締役社長CEO:金澤大輔)と共同で行われた。
 今後の展開としては、本サービスの対象を拡大し、火災保険の家屋の損害でもAIによる保険金の算出サービスを利用できるように検討していく。また、AI修理見積により事故受付後、保険金支払額を自動算出し、瞬時に顧客への入金まで完結するサービスの実現を目指すとしている。
 同社では今後も、「LINEを活用した保険金請求サービス」と最先端のテクノロジーを組み合わせることで保険金請求手続きをさらに簡単で便利に完結できる、これまでにない革新的かつ高品質な事故対応サービスを顧客へ提供していくとしている。