2019.11.07 損保料率機構 火災保険参考純率改定 住宅総合平均4.9%引き上げへ
住宅総合保険の純率改定が金融庁の承認を得た。損保料率機構が「損害保険料率算出団体に関する法律」(料団法)第9条第1項後段の規定に基づき、火災保険参考純率の変更に関する届出を10月7日付で金融庁長官に行い、同月30日に適合性審査結果通知を受領したもの。平均4.9%の引き上げと築浅住宅に対する割引の導入を内容とする。
改定の背景には、まず自然災害(風水災)による保険金支払いの急激な増加がある。住宅総合保険の参考純率については、2013年度の「平成26年2月雪害(火災・新種・自動車・海上合計支払保険金3224億円)」や15年度の「台風15号(同1642億円)」などを含む16年度までの保険統計データに基づき、18年6月に平均で5.5%の引き上げを行い、これに基づき損保各社では今年10月から火災保険の改定を実施したばかりだった。しかし、前回の料率検証以後発生した自然災害(風水災)の影響も踏まえ、収支の均衡を確保する観点から、あらためて引き上げを行うことになった。今回は、17年度の「台風21号(火災・新種・自動車・海上合計支払保険金1217億円)」、18年度の「西日本豪雨(同1956億円)」「台風21号(同1兆678億円)」「台風24号(同3061億円)」など18年度までに発生したデータを加え再検証した。巨額となることが予想される本年度の複数の台風による損害は含まれていない。
また、今回新たに築年数によるリスク較差を純率に反映させる改定も実施した。住宅総合保険で補償する損害のうち、水濡れ損害などは、建物の老朽化による影響を受けるため、築浅住宅の方が、築年数が経過した住宅よりリスクが低い実態にある。こうしたリスク較差を保険料に反映するため、築浅住宅を対象とした割引(建物のみ)を導入した。築5年未満の住宅は平均28%の割引、築5年以上10年未満の住宅は平均20%の割引を導入(割引率は契約条件〈都道府県・構造等〉によって異なる)した。