2019.10.21 NTTドコモ 東京海上日動と協業で「AIほけん」開発 顧客の保険選びサポート

NTTドコモは10月11日、東京都中央区のベルサール汐留で開催した「NTTドコモ2019―2020冬春新サービス・新商品発表会」の中で、AIを活用して顧客一人一人におすすめの保険・サービスの組み合わせを提案する「AIほけん」を12月(予定)から提供することを発表した。「AIほけん」は「どの保険がよいのかわからない」「自分に合っているのかわからない」という顧客の保険選びをサポートすることを目的に、包括的業務提携に基づいた東京海上日動との協業により提供するもの。発表会ではNTTドコモの吉澤和弘社長と東京海上日動の広瀬伸一社長が登壇し、開発の背景や思いなどについて説明した。

 「AIほけん」は、スマートフォンの画面上の簡単な質問に答えるだけで、AIを活用して顧客一人一人におすすめの保険・サービスを提案するサービス。顧客の同意を取得した上で、NTTドコモの保有データ(プロフィルや各種サービスの利用状況など)に基づき、AIを活用して8種類の保険・サービスからおすすめの商品の組み合わせと月額料金を提案する。また、スマートフォンの画面に表示されるスライダーを動かし、補償の範囲の変化を視覚的に確認しながら、顧客一人一人のニーズに合わせて簡単に月額料金を調節することが可能な他、加入後も顧客のプロフィルや利用状況の変化に合わせて定期的に保険・サービスの組み合わせや補償内容の見直しを提案する。
 具体的な保険・サービスは、①けがの保険(顧客自身がけがをした場合の入院・通院費などを補償)②損害賠償保険(他人にけがをさせたり、他人のものを壊したりした時などの補償)③持ち物保険(顧客の所有物が外出先で破損・盗難された場合の補償)④ゴルフ(ホールインワン)保険(ホールインワンを達成した際のお祝い費用を補償)⑤レスキュー保険(緊急の捜索・救助活動を要する状態になった場合などの補償)⑥がん保険(顧客自身ががんと診断された時の一時金を補償)⑦介護保険(顧客自身が要介護状態となった時の一時金を補償)⑧ネットトラブルあんしんサポート(インターネット上のトラブル予防につながる情報提供とサポート)―の8種類。
 提供開始は12月からの予定で、利用料金は無料(別途パケット通信料がかかる他、各商品に加入の場合は別途月額料金がかかる)。dアカウントを持っている顧客が対象となり、NTTドコモの回線契約がない顧客でもdアカウントを作成することで利用できる。また、「AIほけん」で案内する保険の加入には、個人名義であること、dアカウントユーザーであること、申込日時点で満18歳以上満70歳以下であること、日本国内に住んでいることが条件となる。
 発表会でNTTドコモの吉澤社長は、「AIほけん」について、「協業している東京海上日動と共に、両社のリソースを投入することで、より多くの人に簡単に加入してもらえる新しい仕組みを作ることができた。今後もよりよい保険サービスの実現に向けて力を合わせていきたい」と述べた。
 「ネットトラブルあんしんサポート」については、SNSの発展やキャッシュレス決済の急成長などによって生活が豊かになる一方で、インターネットなどに関連するトラブルが年々増加傾向にあることから、そうした中でも快適なモバイルライフを楽しんでもらうためのサービスだと説明。「“AIほけん”と“ネットトラブルあんしんサポート”を通じて、保険や補償をより身近なものにし、顧客の生活にさらなる安心・便利を提供していく」と強調した。
 東京海上日動の広瀬社長は、NTTドコモと協業する意義について、「NTTドコモが持つスマートフォンや最先端のテクノロジーと、当社が持つ保険のノウハウを融合させて“保険の力”を高め続けることだ」と述べるとともに、「NTTドコモとの協業で高めた“保険の力”を、今後は当社の強みである約5万店の代理店による保険ビジネスにも活用することで、デジタルとリアルを融合し、日本の隅々にまで安心・安全を届けていくことが当社の使命だ」との考えを示した。
 また、「“AIほけん”を通じて安心・安全を顧客にきめ細かく届けることで、多様化・高度化するライフスタイルや顧客ニーズに対応し、より住みやすく、より快適な社会を作り上げることを引き続き両社で目指していきたい」と語った。
 発表会ではこの他、NTTドコモ19―20年冬春の新商品8機種や「d払い ミニアプリ」の提供開始、AIエージェントサービス「my daiz(マイデイズ)」の音声ナビゲーション機能について発表した。
 また、NTTドコモのCMシリーズ「星プロ」に出演する星野源さん、新田真剣佑さん、長谷川博己さん、浜辺美波さんを特別ゲストとして招き、CM放送が始まってからの1年を振り返った他、「出演メンバーのお互いの意外な一面」や「my daiz」にちなんだ「こんな気遣いアリ?ナシ?」というテーマでトークセッションを行った。