2019.09.20 アニコム損保 「どうぶつ健保しにあ」発売 日本初「シニア専用」のペット保険

 アニコム損保は9月17日から、8歳以上であれば何歳でも加入できるペット保険「どうぶつ健保しにあ」の販売を開始した。同保険は、これまでペット保険に新規加入できなかった高齢の犬猫が加入できる日本初(注1)の商品。万が一の入院・手術の費用に特化することで、手頃な保険料に抑えている。

 近年は人同様、ペットでも長寿化が進んでいる。一般的に、犬猫のシニア期と呼ばれるのは8歳以上が目安だが、平均寿命は、犬で14・29歳、猫で15・32歳まで伸びており(注2)、予防医療を中心とした獣医療や、飼育環境(室内飼い、フード等)の進歩により、今後もますますペットの寿命は延伸していくと考えられる。一方、高齢化が進む中で問題となるのが「医療費」だ。高齢になるほど医療費は上がり、12歳の犬猫では、0歳に比べ5・2倍(12歳の犬猫の平均医療費:年間11万6431円)もかかるといったデータ(注3)もある。しかし、これまでのペット保険には年齢制限があり、「本当に必要なシニア期に、保険に新規加入できない」という問題があった。
 同社は「ペット保険には入りたいけれど、高齢だから諦めていた」「高齢になると保険料も高額だから、入りたくても入れなかった」などの顧客の声に応え、同商品を開発した。
 同商品は、8歳以上であれば年齢の上限なく加入できる犬猫専用のペット保険。入院と手術にかかる費用の一部(70%プラン、50%プラン)が補償され、同社の対応病院で利用できる。通院の補償が無い分、従来の商品より手頃な保険料となっており、月々1010円から加入することが可能だ。
 同保険に加入すると、ペットの写真入り「どうぶつ健康保険証」が発行され、全国に6400以上あるアニコム損保対応病院の窓口に提示するだけで保険金の請求が完了する(注4)。
 また、契約者には腸内年齢や病気のリスクを測定できる「腸内フローラ測定」が無料付帯され、この結果が良好であれば(注5)、入院・手術だけでなく通院まで補償する「どうぶつ健保ふぁみりぃ」に移行することが可能だ。
 さらに、高齢になったペットとの暮らしの中で生じる不安を、契約者がLINEで獣医師に相談できる「どうぶつホットライン」などのさまざまなサービスを無料で利用できる。
 長寿化が進み、ペットの認知症も問題となっている中、シニアペット専門の介護サービスなども登場している。獣医療の高度化に伴い、犬の1回あたりの平均医療費は、11年以降で約1・3倍(注3)まで上がっており、ペットの医療費が家計に与える影響は大きくなってきている。場合によっては、こうした負担を理由に飼育放棄等につながるケースもあり、社会全体として高齢の動物をサポートしていく必要性が高まっている。犬猫も、年齢を重ねるにつれ病気になりやすくなり、年間医療費は、1歳ごとに10%以上も上昇している(注3)。8~12歳のシニアだけの平均では、年間約8万7000円かかっている(7歳未満の平均は、年間約3万円)。
 同社はこれまでも高齢のペットに向けた取り組みを行っており、2010年からは敬老の日にあたり、同社ホームページ内のコンテンツ「ご長寿アルバム(https://www.anicom-sompo.co.jp/special/long_life/)」で契約者の中から品種ごとの「最高齢どうぶつさん」を表彰し、飼い主からの愛情あふれるメッセージや長寿の秘訣などのコメントを紹介している。
 (注1)19年8月末現在、同社調べ。原則、健康体であることが加入の条件。
 (注2)一般社団法人ペットフード協会平成30年全国犬猫飼育実態調査による。
 (注3)同社保険金請求データより算出。
 (注4)同社対応病院での診療費に限り保険が利用できる。未対応病院においては、対応病院からの紹介があった場合のみ補償の対象となる。
 (注5) 犬の場合、腸内健康年齢が実年齢より「1歳6カ月」以上若いこと、猫の場合、腎臓チェックの結果が「とてもよい」ことが条件。