2019.08.30 損保ジャパン日本興亜 「マンション総合保険」に新特約、管理組合役員の業務を支援

 損保ジャパン日本興亜は8月19日、10月から、マンション管理組合向け商品である「マンション総合保険」の特約として、マンション管理組合の役員が紛争解決のために弁護士相談を行ったことにより負担した費用を含めて総合的に補償する「管理組合役員対応費用補償特約」の提供を開始することを発表した。同特約では、業界初(同社調べ)となる「マンション管理組合の役員の業務を対象とした弁護士費用等」を含めて、マンション管理組合の役員が業務遂行する上で抱えるリスクを包括的に補償。安心して役員を引き受けることができる環境の整備に貢献する。

 「マンション総合保険」は、分譲マンション等区分所有建物の共用部分を保険の対象とした火災保険。今回、同保険に付加できる特約として発売する「管理組合役員対応費用補償特約」では、マンション管理組合の役員が以下の事由により損害を被った場合に、負担した費用を補償する。
 ▽管理組合役員賠償保険金
 理事が管理費の長期滞納者に対して差し押えや競売の対応を行ったところ、区分所有者に法令違反であると訴えられたなど、管理規約等に規定する業務に起因して法律上の損害賠償責任を負担した場合に、1事故につき500万円を限度に「管理組合役員賠償保険金」を支払う。
 ▽初期解決費用保険金
 戸室を商用として使用することを制限された管理組合の組合員(区分所有者)から損害賠償を請求すると言われたため弁護士に相談したなど、管理規約等に規定する業務に起因して損害賠償請求がなされる恐れがあり、その解決のために費用を負担した場合に、「初期解決費用保険金」を支払う。見舞金等の限度額は1事故につき30万円。
 ▽情報漏えい対応費用保険金
 管理組合総会の資料準備中に入居者名簿を紛失したことにより個人情報が漏えいしてしまい、入居者にお見舞品を送付したなど、情報漏えい事故を発生させ、情報漏えい対応費用を負担した場合に、「情報漏えい対応費用保険金」を支払う。見舞金等の限度額は、1被害者当たり1000円、かつ1事故につき100万円。
 ▽弁護士等費用保険金〈業界初〉
 管理規約で禁止している民泊を行ったり、騒音やゴミのトラブルが多い区分所有者への対応方法について弁護士に相談・対応を依頼したなど、管理規約等に関する紛争について弁護士等費用を負担した場合に、「弁護士等費用保険金」を支払う。弁護士等への相談、委任費用の限度額は1事故30万円。ただし、自己負担額(5万円)。
 年間保険料は、マンション1戸室につき約100円。補償開始時期は2019年10月1日から。
 近年、マンションにおける騒音・ペット飼育・管理費の滞納や民泊をめぐるトラブル等が増加しており、マンション管理組合の役員は、区分所有者から損害賠償請求を受けたり、マンション内でのトラブル解決のために法的措置を講じたりするなど、求められる業務も複雑化している。
 国土交通省が実施した『平成30年度マンション総合調査結果(19年4月26日公表)』によると、76・8%のマンションで何らかのトラブルが発生しており、そのうち15・9%が訴訟や民事調停等の法的措置において弁護士に相談することによって、マンション内でのトラブルへの対応を行っている。
 損保ジャパン日本興亜では、このような状況を踏まえ、今回、マンション管理組合の役員を取り巻くリスクを弁護士費用等を含めて包括的に補償する同特約を開発した。
 同商品の提供を通じて、同社では今後も人々が安心して生活できる環境づくりに貢献していくとしている。