2019.07.25 東京海上日動 超ビジネス保険のシステム改定 代理店事務の削減、提案力強化図る
東京海上日動は、超ビジネス保険のオンラインシステムを改定し、7月1日始期以降の契約を対象に、「3プラン試算機能」と「おすすめ機能」を追加した。一度に3プランの見積書や申込書が作成できると同時に、更新契約の試算時に顧客の業種に応じておすすめの補償を自動的に引き込んで表示する。代理店の事務ロードを大幅に削減する他、契約更新時に未付保の種目を提案しやすくすることで、一契約者ごとの補償拡充を図る狙いがある。
超ビジネス保険は、同社における中小企業開拓の戦略商品で、複数の補償を一つの保険にまとめられる「パッケージ性」と、多彩なオプションを用意して個客のニーズにきめ細かく対応できる「自在性」を両立しているのが大きな特長。新規・更新・契約内容変更の試算や、見積書や申込書の作成から計上までをオンラインシステムで対応しており、手計算による保険料誤りや事務ロードの増加が発生しない仕組みを整えている。
今回の「3プラン試算機能」は、自動車保険ではすでにおなじみの機能で、更新契約の試算時に前年同条件の他、未付保種目の追加や補償金額アップといった複数のプランをクリック一つで自在に組み合わせることができる。また、顧客の業種に応じたおすすめの補償を自動的に引き込んで表示する「おすすめ機能」によって、企業分野商品の提案に不慣れな募集人にとっても強力なサポートとなる。
システムの開発に当たっては、ユーザービリティー(使いやすさ)をとりわけ重視しており、代理店など現場の意見を聞きながらシステム設計を行った。募集人向けにヘルプデスクも開設しており、システム操作のサポートを行っている。
今回のシステム開発には、損害保険マーケットを取り巻く環境変化が背景としてある。相次ぐ自然災害やサイバー攻撃など、企業を取り巻くリスクは年々複雑化・多様化しており、毎年、同じ内容で契約更新していると補償内容がリスクの変化に対応できず、顧客が不利益を被る恐れがある。
一方で、人口減少や自動運転技術の進展といった社会環境の変化を踏まえると、将来にわたって代理店経営を持続させていくには、主力の自動車保険だけでなく、新種保険分野の拡大や事務効率化を含めた生産性の向上が不可欠になってくる。
一般的に代理店の損保契約は、更新契約が8~9割を占めるといわれており、顧客に話を聞いてもらえる接点機会である契約更新時の提案活動を最大限サポートできるよう、今回のシステム開発を行った。新機能によって複数の補償プランを顧客に提案することは、提案力の強化という面で他代理店との差別化につながる。
同システムは、すでに4月中旬から稼働しており、7月1日始期以降の契約について計上が始まっている。代理店からは、非常に高い評価を受けているという。
同社企業商品業務部で中小企業向け戦略商品を担当している赤木克之課長は、「社会環境がかつてないスピードで変化する中、今後の代理店経営では『提案力』が差別化のキーワードになるのは間違いなく、今回のシステム刷新は、代理店の皆さまのご提案活動を大きくサポートするものと考えている。中小企業開拓の戦略商品である超ビジネス保険は、今後も一層力を入れて商品魅力の向上を図っていくので、ぜひ、1社でも多くの代理店の皆さまにお取り扱いいただき、経営戦略の柱としてお役立ていただければと思っている」として、今後の一層の普及に期待を寄せている。