2019.06.25 損保ジャパン日本興亜 「空飛ぶクルマ」社会実装へ 大阪で先端技術実証事業に参画 安全・安心の観点で支援サービス提供

 損保ジャパン日本興亜は6月14日、「実証事業推進チーム大阪」が取り組む、先端技術を活用した各種実証事業へ参画することを明らかにした。同チームは、大阪府・大阪市・大阪商工会議所の3者によって構成するもの。同社は、大阪における「空飛ぶクルマ」の実証事業の実現・推進のため、先端技術に係わる「実証実験リスクアセスメント」策定支援の他、空飛ぶクルマ・実証実験向け保険商品の提供、「事故発生時危機管理マニュアル」策定支援など、安全・安心の観点から支援サービスを提供。大阪における革新的なビジネスの社会実装に向けた支援を行う。

 大阪府・大阪市・大阪商工会議所は、2018年5月、先端技術を活用した各種対象分野の実証事業の実施、成果普及を通じた地域の産業振興、経済の活性化を目的に、「実証事業検討チーム」を設置。実証実験を希望する事業者からの提案を一元的に受け付け、実証支援案件の発掘・対応を行うとともに、大阪府・大阪市の関連施設や公共空間、賛同した民間企業の工場や施設等をフィールドとして提供するなどの支援を行っている。
 今回、大阪府・大阪市・大阪商工会議所では「2025年大阪・関西万博」を見据え、30年代には都市での人の移動などへも利用拡大が期待される「空飛ぶクルマ」の実証支援に向けた環境整備を推進する計画を発表。チーム名称を「実証事業推進チーム大阪」と改称するとともに、大阪における民間企業の実証事業の支援メニューを拡充・強化する。
 施設、スペース、データ等を実証フィールドとして提供する企業・団体として、これまでの大阪ガス㈱、㈱タブチ、日立造船㈱に加え、新たに小川航空㈱(舞洲ヘリポート)、学校法人常翔学園(大阪工業大学梅田キャンパス1階OITギャラリー)が参画。また、物理的なフィールドの提供だけでなく、実証実験を支援するサービスも新たな支援メニューに追加し、その第1弾として、損保ジャパン日本興亜と㈱NTTドコモ(5Gの技術検証環境「ドコモ5Gオープンラボ」)が参画する。
 実証事業には、「空飛ぶクルマ」や自動運転、スマートシティ等に係わるリスクを総合的に洗い出し、評価実施するリスクアセスメントが必要となる。SOMPOホールディングスグループのSOMPOリスクマネジメントは、リスクアセスメントに関する高いノウハウを保有することから、損保ジャパン日本興亜では、それらを生かした策定支援を実施する。
 また、既存の保険をベースに、空飛ぶクルマを開発中の企業に対して、空飛ぶクルマの使用、運航方法、適用法、規制を踏まえた保険商品の提供を予定している他、実証事業中に万が一事故が発生した場合の関係者の対応をまとめた「事故発生時危機管理マニュアル」の策定を支援する。
 経済産業省および国土交通省は、18年に「空の移動革命に向けた官民協議会」を発足し、保険制度や被害者救済ルール等の必要性が表記されるなど、「空飛ぶクルマ」の社会実装に向けた機運が高まっている。
 損保ジャパン日本興亜は、16年7月に大阪府、19年1月に大阪市とそれぞれ大阪経済の活性化や住民の「安全・安心・健康」の促進に係わる包括連携協定を締結していることから、今回、大阪での「空飛ぶクルマ」の実証事業の実現・推進のため、「実証事業推進チーム大阪」と緊密に連携し、安全・安心の観点で支援するサービス提供を行うこととした。
 同社では今後、「MaaS」や「スマートシティ」の社会実装に対しても、安心・安全のパートナーの観点で、大阪をはじめ各地でリスクアセスメント・マネジメントの協力を行うとしている。