2019.06.05 日本生命 ヘルスケア事業で新サービス、アプリ活用で運動促進支援

 日本生命は5月27日、ヘルスケア事業の一環として、データヘルス計画や健康経営(R)の支援を企図した新たなサービスの提供と商品対応を実施すると発表した。ウオーキングアプリを用いた新たなヘルスケア関連サービスを提供するとともに、団体定期保険への「健康経営割引」を新設する。また、4月10日付で、ヘルスケア事業を通じて同社が取得した個人情報の管理に関し、情報セキュリティマネジメントシステムの国際認証規格である「ISO/IEC27001」の認証取得を明らかにした。

 ウオーキングアプリを用いた新たなヘルスケア関連サービスの提供では、7月から「ニッセイ健康増進コンサルティングサービス(通称:Wellness―Star☆)」における新たなサービスとして、凸版印刷㈱の子会社である㈱ONE COMPATHと共同で、スマートフォン向けのウオーキングアプリ「aruku&(あるくと)」を活用した運動促進支援サービスを開始する。
 「Wellness―Star☆」は、企業・団体・健康保険組合・共済組合の健康増進支援を目的に、特定非営利活動法人健康経営研究会の助言・監修を受けて提供。健康診断・レセプトデータ等のデータ分析による課題抽出や、組織別の健康課題を「見える化」する事業所別医療費分析レポートの作成等のサービスを提供している。
 「aruku&」は、日本生命の個人保険の契約者向けサービス「健康サポートマイル」を貯めるメニューの中で、18年4月から、健康的な生活習慣を継続するためのツールとして利用。同マイルは、顧客が「健康状態を知り」「維持・改善を図る」ことを目的に「ずっともっとサービス」で同社独自のポイント「サンクスマイル」が貯まるメニューとして提供している。
 今回同社が新たに提供するサービスは、企業・団体・健康保険組合・共済組合向けに、「aruku&」を用いて、イベント(ウオーキングフェスタ等の運動施策)を独自に実施することができる専用管理機能。同機能は、グループ設定やランキング表示、お知らせ配信等を行うことができる管理者向けの機能で、情報通信技術(ICT)を活用したデータヘルス計画の実施等に活用できる。同機能に加えて、組織員の運動・アプリ活用状況を分析したレポートの提供等を行うことで、運動を促進する取り組みを支援する。
 また、経済産業省を中心とした「健康経営優良法人認定制度」等の顕彰制度の実施や、企業における健康経営への関心の高まりを背景に、企業の健康経営と従業員の健康増進を保険商品の側面から支援する仕組みとして、7月1日から、団体定期保険契約を対象に「健康経営割引」を新設。「健康経営優良法人(大規模法人部門)に認定されていること」「一定の規模以上の契約であること」等の同社所定の適用条件を満たす団体定期保険契約のうち、割引の適用を申し出た契約に対し、団体定期保険の主契約の純保険料を5%割引く(7月1日以降の契約日または更新日から順次適用)。
 さらに、同社ではこれまでも「Wellness―Star☆」で預かった顧客の情報を厳正に管理し、品質の高いサービス提供に努めてきたが、今回、より顧客が安心してサービスを利用できるよう、個人情報の管理に万全を期することを目的に、4月10日付で「ISO/IEC27001」の認証を取得した(▽認証範囲:健康増進支援サービスの提供に関するヘルスケアデータの収集、加工、分析業務▽登録番号:JP19/080564)。同認証取得は、同社の情報管理体制における情報の機密性・完全性・可用性がバランスよくマネジメントされた枠組であり、情報セキュリティマネジメントの国際規格に適合すると認められたもの。なお、保険会社がヘルスケア事業で「ISO/IEC27001」の認証を受けるのは業界初となる(19年5月現在、同社調べ)。
 日本生命では今後も、顧客の要望に即したサービス・商品の提供と適正な個人情報管理に努めていくとしている。
 (注)「健康経営(R)」は特定非営利活動法人健康経営研究会の登録商標。「aruku&(あるくと)」は㈱ONE COMPATHの登録商標。