2019.05.17 東京海上日動 7月「超ビジネス保険」に新特約、不良品・納期遅延の賠償リスク補償

 東京海上日動は5月7日、事業活動を取り巻くさまざまなリスクを包括的に補償する企業向け商品「超ビジネス保険」において、7月から「不良品・納期遅延による他人の経済損害事故補償特約」を販売することを発表した。同特約では、製品の欠陥・仕様不適合、また、火災や不測かつ突発的な事由による製造設備の故障により納期遅延が生じたこと等によって、取引先やユーザー等から受ける賠償リスクを補償する。

 保険の対象となる事故例は次の通り。
 【部品製造業】
 納入した部品が仕様を満たしておらず、再納品までの間に納品先の製造が休止した際の逸失利益について納品先から賠償請求を受けた。
 【食品製造業】
 自社工場において、製造設備が損傷したために生産ラインが数日間停止した。納期に遅れたために、納品先に生じた逸失利益について賠償請求を受けた。
 【印刷業】
 食品の原材料表示ラベルに印刷ミスが発覚。ラベルの再印刷に日数を要したため、出荷が遅れたとして食品メーカーから逸失利益について賠償請求を受けた。
 近年、生産技術の高度化・複雑化や、消費者の権利意識の高まりに伴い、製造業をはじめとする中小企業を取り巻く損害賠償リスクは多様化しており、経営上、重要な課題の一つとなっている。
 また、東京海上日動リスクコンサルティングが実施したアンケートによると、製造業者の約6割が特に重視しているリスクとして「製品・サービスの欠陥」を挙げており、納品した製品の仕様不適合(規格外品)や納期遅延による損害賠償リスクについては、社会的なニーズが高まっていると考えられる。
 特に、中小企業の製造業者にとっては、製品の欠陥や仕様不適合で納入先から損害賠償請求を受けた場合、事業継続そのものが困難となる恐れがあることから、こうしたリスクを補償する保険商品を望む声が高まっていた。
 このような状況を踏まえ、東京海上日動では、従来の生産物賠償保険(PL保険)等では補償されないこれらの賠償リスクから、製造業をはじめとする中小企業を守ることを目的として、今回新たな特約を開発した。
 同社では今後も、新たなリスクから顧客を守るため、最適な商品・サービスの開発・提供を進めていくとしている。