2019.05.13 あいおいニッセイ同和損保 外国人患者の医療費未払損害を補償、「医業未収金補償保険」提供

 あいおいニッセイ同和損保は4月22日、一般社団法人日本病院会の会員医療機関を対象として、外国人患者の医業未収金を補償する「医業未収金補償保険(外国人患者限定プラン)」の取り扱いを開始した。同商品は、外国人患者が負担するべき医療費を支払わないことにより、医療機関が被る損害を補償する、日本病院会会員向けの専用商品。高額な未収金発生へ備えるとともに、回収業務の負担を軽減する。

 同商品は、未収金発生への備えと回収業務の負担軽減が特徴。想定外の高額な未収金の発生リスクを保険でカバーすることを通じて、病院経営の安定化に寄与するとともに、回収が困難な外国人患者に対する未収金回収業務の負担を軽減する。
 日本病院会を保険契約者、同会の会員医療機関を加入対象者(被保険者)とする団体契約で、対象となる患者は、日本国籍を有しない者(訪日外国人および日本に在留する外国人)。
 支払限度額は、患者1人につき300万~2000万円。医療機関が任意に加入できる方式としており、患者1人当たりの支払限度額は四つのプランから選択できる。
 取扱代理店は㈱日本病院共済会。
 4月22日に募集を開始し、補償のスタートは7月1日から。
 近年、訪日外国人の増加や外国人労働者の受け入れ拡大に伴い、医療機関では外国人患者受け入れに向けた体制整備が進められている。
 公的医療保険を利用できない訪日外国人の医療費は全額本人負担となり、万一、医療費を支払わないまま帰国した場合は回収が困難となるため、想定外の高額な未収金発生への対策が医療機関にとって重要と考えられる。
 あいおいニッセイ同和損保では、2017年9月から、日本人を含むすべての患者を対象とした「医療機関向け取引信用保険」の販売を開始。今回、日本病院会と共同で、外国人患者に限定した商品を新たに開発した。
 なお、同社によると、医療団体を通じて外国人患者の未収金を補償する制度は、保険業界で初めてだという。
 日本病院会は、「病院の向上発展と使命の遂行を図り、社会福祉増進に寄与する」ことを理念として、1951年6月に創立、2012年4月に一般社団法人となった。
 会員数は2487病院(18年6月現在)。開設者別では、厚生労働省・文部科学省や自治体、日赤・済生会・厚生連などの公的病院が884病院、医療法人や公益法人、学校法人・会社・その他法人、個人などの私的病院が1603病院となっている。
 また、病床数別に見ると、20~99床が17.0%、100~199床が33.0%、200~299床が14.7%、300~399床が14.2%、400~499床が9.5%、500床以上が11.5%となっている。