2019.03.07 SOMPOHD DeNAと合弁会社2社設立で合意、カーシェアとマイカーリース事業推進

 SOMPOホールディングスと㈱ディー・エヌ・エー(以下「DeNA」)は2月28日、東京都新宿区のヒルトン東京で記者会見を開き、個人間カーシェア事業の合弁会社「DeNA SOMPO Mobility」とマイカーリース事業の合弁会社「DeNA SOMPO Carlife」設立に関する合意書の締結を発表した。SOMPOホールディングス国内損害保険事業オーナー取締役として会見に出席した西澤敬二氏は、「所有社会から共有社会への大きな変化に着目し、新事業を模索する中でDeNAと出会い、事業ビジョンと思いを共有してきた。この2社であれば両社の強みを生かした革新的なモビリティサービス事業開発が可能だと確信した」と新事業に込めた思いを語った。

 個人間カーシェア事業の合弁会社「DeNA SOMPO Mobility」は、2015年からDeNAが運営してきた個人間カーシェアサービス「Anyca」を引き継ぎ、4月から事業の運営を開始する。
 「Anyca」は、自動車を使わない間にシェアしたいオーナーと、必要な時に好みの自動車を使いたいドライバーをマッチングする個人間カーシェアサービス。会員数は20万人以上、登録車数は7000台以上と国内最大規模を誇る。「DeNA SOMPO Mobility」へと引き継がれることで、個人間カーシェアの社会的認知のさらなる向上と、適切なトラブル防止や迅速かつ安定した事故対応を実現し、サービスに適した保険の開発にも取り組む考えだ。
 会見では、スマートデバイスの導入による、無人でのシェアの実現も視野に開発を進めていることを明らかにした。
 また、「0円マイカー」として、レンタカー登録とカーシェア受け渡し用機器の取り付けをした車を管理・カーシェアすることを条件に、オーナーが一定回数を無料で利用できるサービスを期間限定で展開する予定で、カーシェアすることを条件に定額も支給するという。
 SOMPOホールディングスでは、同社グループの強みである全国5万店の保険代理店を通じてAnycaの登録を推進する。さらに、ドライバーの他車運転特約の利用や、オーナーの自動車保険の割引といった合理的な保険設計に加えて、返却されないリスクなど、個人間カーシェア固有のリスクに適応した専用保険の提供も検討していく考えだ。
 マイカーリース事業の合弁会社「DeNA SOMPO Carlife」は6月からマイカーリース事業の開始を予定している。一定期間車を定額で手軽に所有できるマイカーリースは、サブスクリプション(定額払い)モデルの一つとして、近年急成長を遂げている。同社のサービスの最大の特徴は、「DeNA SOMPO Carlife」でリースした車を「Anyca」でカーシェアする仕組みの提案。サブスクリプションとシェアリングを掛け合わせ、空き時間をカーシェアすることでリース料を削減することができる。マイカーリース事業においても、保険代理店による提案や、保険会社ならではの安心・安全を付加したカーリース商品を展開していく方針で、将来的には月間1000台規模の提供を見込んでいる。
 会見で登壇したDeNA代表取締役会長の南場智子氏は、SOMPOホールディングスとの提携について「車に関するライフスタイルを変革する上で最大のボトルネックが“不安”。その不安を取り除くことについて、長年にわたり実績と信頼を積み上げてきたSOMPOホールディングスと共に歩んでいきたいと考えた」と語り、今後の展開に自信を見せた。