2019.03.01 第一生命HD 18年度第3四半期決算、国内3生保の販売拡大

 第一生命ホールディングスが2月14日に発表した2018年第3四半期決算によると、連結業績は前年同期比で増収・減益となった。連結保険料等収入は前年同期比13.0%増の3兆9444億円、グループ基礎利益は同9.8%減の4053億円だった。親会社株主に帰属する四半期純利益(連結純利益)は同24%減の1508億円で通期予想に対して想定線上の進捗(しんちょく)となった。営業業績については、国内3生保でのマルチブランド・マルチチャネル戦略による販売が拡大。国内3生保の新契約年換算保険料は前年同期比で40.1%増加した。第一生命の「ジャスト」は好調な販売が続いており、18年12月下旬から販売を開始した認知症保険はすでに累計5万件を超える好スタートを切った。

 第一生命グループの連結主要業績は連結経常収益が前年同期比2%増の5兆2893億円となった。米国の金利上昇を背景に、第一フロンティア生命の外貨建保険の販売が大幅に伸張し、保険料等収入の増加につながった。
 連結経常利益は同15%減の2935億円だった。第一フロンティア生命では市場環境の悪化により、最低保証にかかる損益が悪化し、減益。プロテクティブでは第3四半期に入って業況は改善を見せたものの、上半期に保険金支払いが増加した影響を相殺するには至っていないという。TALは個人保険・団体保険で保険金支払いが増加し、減益となった。
 連結純利益は同24%減の1508億円。グループ修正利益は1542億円となり、同8%減少した。
 新契約年換算保険料はグループ全体で同30.7%増の3827億円、国内3社計で同40.1%増の3150億円となった。国内3社では、三つのブランドがそれぞれ競争力のある商品を開発し、グループでチャネル開拓を進めながら、顧客ニーズに合わせて最適なチャネルで商品・サービスを提供するマルチブランド・マルチチャネル戦略を進めている。第一生命では健診割を導入した商品「ジャスト」の販売が好調で、18年12月下旬に発売した認知症保険は5万件を超えるなど好調なスタートとなった。ネオファースト生命では代理店パートナーとの関係強化によって医療保険の販売も加速している。第一フロンティア生命ではメガバンクに加えて、地銀等との委託販売が拡大し、第一生命の営業職による販売も好調に推移した。この結果、営業職・代理店・銀行窓販全てのチャネルで販売が伸び、3社合計の新契約年換算保険料は大幅な伸びを記録した。
 経営者保険については、一部を除き、2月14日から商品の新規販売を停止したが、現時点では業績見通しに大きな影響を与えないとしており、経営者保険を除くベースでも国内生保3社の新契約は前年同期比7%の伸びを示しているという。
 グループ全体の保有契約年換算保険料は前期末比4.9%増の3兆8518億円だった。第一生命は同0.7%減の2兆1318億円で、このうち第三分野は同2.6%増の6650億円。第一フロンティア生命は同9.0%増の7959億円、ネオファースト生命は同446.2%増の1075億円だった。
 グループ各社の業績を見ると、第一生命は経常収益が前年同期比1155億円減の2兆6627億円となった。このうち、保険料等収入は同85億円減の1兆6901億円、資産運用収益は同833億円減の7930億円だった。経常費用は同986億円減の2兆4301億円で、このうち保険金等支払金は同235億円減の1兆6058億円となった。
 経常利益は同169億円減の2325億円、四半期純利益は同47億円減の1122億円だった。
 新契約年換算保険料は同16.2%減の695億円と前年同期比で減少した。これは、第一生命の営業職や代理店が第一フロンティア生命やネオファースト生命など3ブランド商品の販売を強化したことなどが要因で、営業職チャネル経由で販売された第一生命グループの商品は新契約年換算保険料で12.5%増加している。基礎利益は主に保険関係損益の増加を背景に前年同期の3129億円から3377億円に拡大した。
 第一フロンティア生命は経常収益が同1048億円増の1兆5201億円となった。このうち保険料等収入は同3244億円増の1兆4013億円、資産運用収益は同2196億円減の1187億円。経常費用は同1306億円増の1兆4961億円で、このうち保険金等支払金は同145億円増の5286億円となった。経常利益は同258億円減の240億円、純利益は同181億円減の119億円だった。
 新契約年換算保険料は同12.2%増の1567億円と順調に拡大。メガバンクに加えて地銀や第一生命の営業職による販売など、チャネル拡充が進展し、販売を伸ばしている。
 ネオファースト生命の新契約年換算保険料は同3868.5%増の888億円、保険料等収入は同1206億円増の1258億円、保有契約年換算保険料は前期末比446.2%増の1075億円となった。18年3月から法人向け保険商品「ネオdeきぎょう」を発売し、主に第一生命の訪問型代理店チャネルで販売していたが、8月以降は営業職による販売も開始し、保有契約年換算保険料も大幅に拡大した。銀行窓販や乗合代理店等で販売される医療保険は代理店パートナーとの関係が強まった結果、販売は加速している。
 第一生命のソルベンシー・マージン比率は前期末比48.6ポイント上昇して930.4%と引き続き高い水準を維持している。第一生命ホールディングスの連結ソルベンシー・マージン比率は同12.7ポイント低下して825.6%だった。
 なお、18年5月15日に公表した19年3月期(18年4月1日~19年3月31日)の通期連結業績予想を修正。経常収益について、第一フロンティア生命で好調な保険販売により保険料等収入の増加を見込むこと等から、前回発表予想の6兆4290億円を今回7兆70億円に上方修正した。経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益に関する修正はない。