2019.02.26 SOMPOHD 18年度第3四半期決算 連結経常利益 559億円増 異常危険準備金取崩益で一定カバー
SOMPOホールディングスが2月14日に発表した2018年度第3四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比4.6%減の2兆7245億円で、このうち正味収入保険料は同5.2%減の2兆658億円、生命保険料は同0.3%増の2545億円だった。今期は自然災害に係る発生損害額が大きくなったものの、異常危険準備金の取崩益で一定カバーするとともに、損保ジャパン日本興亜の資産運用粗利益が順調だったことや、SIにおける前年度の北米ハリケーン影響の剥落もあり、連結経常利益は1633億円と同559億円の増益を果たした。連結純利益は1184億円で同188億円の減益となったものの、通期業績予想(1700億円)に対する進捗(しんちょく)率は70%で、予想数値に変更はない。
国内損保事業のうち損保ジャパン日本興亜は、国内自然災害が影響し、保険引受利益は前年同期比307億円減の638億円だった。
正味収入保険料は、同1.3%減の1兆6143億円だった。種目別では、火災が同4.5%減の1992億円、海上が同4.2%減の344億円、傷害が同5.1%減の1319億円、自動車が同0.8%減の7999億円、自賠責が同7.3%減の2069億円と軒並み減収となったものの、中小企業向け商品を中心に新種保険が引き続き拡大し、その他は同8.6%増の2418億円となった。火災は海外受再契約をSIへ移管したことなどが主因、傷害は主に一部商品をその他種目へ移管した影響により減収。自動車は18年1月の料率改定(自動車保険全体で1.7%減)の影響を台数増などで一部カバーし、微減にとどまった。その他は中小企業向けパッケージ商品の販売が引き続き好調だった。
正味支払保険金は同9.4%増の1兆434億円だった。国内自然災害(当年度発生)に係る正味支払保険金(自賠責・家計地震を除く)は1386億円に上る。正味損害率は、火災で114.4%と対前年同期比で36.4ポイント増加したことが影響し、自賠責・家計地震を除いた合計は6.4ポイント増の68.0%だったものの、自賠責・家計地震・国内自然災害を除いた正味損害率は58.2%で、0.4ポイント減で改善した。E/I損害率(自賠責・家計地震を除く)は8.7ポイント増の69.4%だった。正味事業費率(自賠責・家計地震を除く)は同0.0ポイント増の33.8%で、通期業績予想に織り込んだ水準で厳格にコントロールしている。また、コンバインド・レシオ(自賠責・家計地震を除く)は通期業績予想(101.8%)と同水準で、同6.4ポイント上昇の101.8%だった。
資産運用粗利益は、主に前年度のグループ会社株式評価損の影響剥落などで同256億円増益の970億円だった。政策株式削減額は907億円(ヘッジ込)と年度計画の1000億円前後に対して順調に推移。第4四半期には政策株式売却の加速や海外子会社配当金収入などが見込まれる。ソルベンシー・マージン比率は前事業年度末比26.4ポイント減の708.7%だった。
国内生保事業で、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命は、新契約高(個人保険)が前年同期比193.9%増の3兆4112億円、新契約年換算保険料は同1.1%増の268億円だった。保有契約高(個人保険と個人年金保険)は同9000億円増の23兆1227億円、保有契約年換算保険料は同87億円増(うち保障性商品は65億円増)の3758億円だった。
当期純利益は、保有契約の拡大や責任準備金繰入負担の減少などにより、前年同期比55億円増益の134億円だった。通期業績予想に対し、保険金等の支払いが下回っていることなどから順調で、計画を上回る進捗を見せている。
保険料等収入は、収入保障保険の販売が好調なこともあり、同1.2%増の3235億円と増収。経常利益は同49.6%増の230億円、基礎利益は242億円で同50.3%の増益となった。ソルベンシー・マージン比率は1539.7%で、前事業年度末比26.6ポイント上昇した。
介護・ヘルスケア事業等では、入居率が引き続き改善しており、当期純利益は前年同期比19億円増益の33億円だった。
海外保険事業の収入保険料は同941億円減の4168億円だった。修正利益は前年度の一過性要因の剥落や、自然災害影響などにより、同126億円減益の271億円だった。
SIのグロス保険料は、同5億7600万ドル増の48億7000万ドル。コンバインド・レシオは同25.7ポイント減の93.2%となった。
地域別では、欧米の収入保険料はSompoキャノピアスの抜けが主因となり、同639億円減の3036億円。アジア・中東は主にトルコリラ安の影響し、同114億円減の559億円、南米は損害率改善に向けた保険引受厳格化の影響が主因となり、同188億円減の573億円となった。修正利益は、欧米は主に前年度の一過性要因が剥落(計△40億円)したことと、米国ハリケーン(マイケル)の発生損害見込み(税後△111億円)により、同142億円減の178億円、アジア・中東は同3億円増の80億円、南米は同12億円増の13億円。