2019.02.25 MS&ADHD 18年度第3四半期決算 損保主要2社合計保険引受利益増益 異常危険準備金取崩で自然災害の影響相殺
MS&ADインシュアランスグループホールディングス(MS&ADHD)が2月14日に発表した2018年度第3四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比0.1%減の4兆1421億円となった。損保の正味収入保険料は海外子会社の増収等により同1.8%増の2兆6751億円となった。経常利益は同46.9%増の2376億円。四半期純利益はMSアムリンの業績回復やアジアでの増益を主因に海外子会社で増益(同916億円増)となり、同79.3%増の1750億円となった。国内損保は中核2社で国内自然災害が1387億円増加したことを主因にインカードロスが1667億円増加したものの、国内自然災害の保険金支払い進捗(しんちょく)に伴う異常危険準備金の取崩で相殺し、同36億円増の1729億円となった。
国内損保主要2社の業績で、保険引受利益は三井住友海上が前年同期比142億円減の439億円、あいおいニッセイ同和損保が同178億円増の109億円となり、2社合計では同35億円増の549億円だった。保険引受利益は異常危険準備金の取崩により、国内自然災害を主因とするインカードロス増加の影響が相殺された。
正味収入保険料は、火災保険や新種保険を中心に元受保険料が増収し、自賠責保険の減収や自然災害の影響による追加の再保険料支払い等の影響はあったものの、2社合計で同21億円増の2兆556億円となった。三井住友海上は同36億円増の1兆1316億円、あいおいニッセイ同和損保は同15億円減の9239億円だった。
三井住友海上の正味収入保険料を種目別に見ると、火災は同0.3%増の1478億円、海上は同4.0%増の468億円、傷害が同2.5%増の1115億円、その他が同6.7%増の2010億円と前年同期実績を上回った。自動車は同0.9%減の4920億円、自賠責は同6.6%減の1324億円だった。除く家計地震・自賠責ベースの合計は同1.3%増の9988億円。
正味支払保険金は同11.9%増の6771億円、家計地震・自賠責を除いたEI損害率は同7.3ポイント上昇し、65.7%、正味事業費率は同0.6ポイント上昇し、31.4%となった。コンバインド・レシオは同6.8ポイント上昇して97.0%だった。
あいおいニッセイ同和損保の正味収入保険料の種目別では、火災が同2.6%増の1357億円、海上が同10.8%増の63億円、傷害が同3.3%増の485億円、その他が同4.5%増の1011億円となった。自動車は同0.3%減の5134億円、自賠責が同7.6%減の1186億円だった。除く家計地震・自賠責ベースの合計は同1.0%増の8050億円となった。
正味支払保険金は同21.4%増の5880億円、家計地震・自賠責を除いたEI損害率は同9.5ポイント上昇して71.9%、正味事業費率は同0.5ポイント上昇して33.4%、コンバインド・レシオは同12.0ポイント上昇して102.2%となった。
国内損保主要2社の資産運用・その他収支は、ほぼ前期並みの1730億円(同4億円増)となった。三井住友海上は同41億円減の1327億円、あいおいニッセイ同和損保は同46億円増の403億円だった。
2社合計の経常利益は同40億円増の2279億円で、三井住友海上は同183億円減の1766億円、あいおいニッセイ同和損保は同224億円増の513億円となった。2社合計の四半期純利益は保険引受利益の増益を主因に同36億円増の1729億円。三井住友海上は同151億円減の1350億円、あいおいニッセイ同和損保は同188億円増の379億円だった。ソルベンシー・マージン比率は三井住友海上が前年度末比11.3ポイント上昇して712.4%、あいおいニッセイ同和損保が同81.3ポイント低下して702.7%となった。
国内生保事業で、三井住友海上あいおい生命の新契約高(個人合計)は収入保障保険の販売が好調だったことを主因に前年同期比18.6%増の2兆4616億円となった。新契約年換算保険料は同30.1%増の380億円で、このうち第三分野は新商品の販売が好調だったことなどから27.6%増の132億円と大幅な伸びを示した。保有契約高(個人合計)は期首比2.7%増の24兆4474億円、保有契約年換算保険料は同3.4%増の4265億円で、このうち第三分野は同8.5%増の1049億円だった。
保険料(グロス収入保険料)は前年同期比2.2%増の3683億円となった。経常利益は同5.3%増の139億円、四半期純利益は同6.6%増の65億円だった。
三井住友海上プライマリー生命の新契約高(個人合計)は同13.2%増の8584億円、保有契約高(個人合計)は期首比6.3%増の6兆4462億円だった。保険料(グロス収入保険料)は外貨建年金の販売増加を主因に定額商品が増収したことから、前年同期比11.4%増の8431億円となった。経常利益は同39.2%減の257億円、四半期純利益は契約初年度の責任準備金や手数料の負担増加などから同26.1%減の187億円となったが、計画対比ではプラスで進捗している。
海外保険子会社業績は正味収入保険料がMSファーストキャピタルの新規連結によるアジアの増収や為替影響などにより、同8.6%増の5905億円と大幅に増収。四半期純利益は欧州でMSアムリンが北米ハリケーン等の自然災害ロスのあった前期から回復したこと(同753億円増)や、MSファーストキャピタルの新規連結を含むアジアでの増益が寄与したため、同916億円増の186億円となった。