2019.02.21 東京海上HD 18年度第3四半期決算 グループ全体で増益 自然災害の影響 異常危険準備金取崩しでカバー

 東京海上ホールディングスが2月14日に発表した2018年度第3四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比0.4%増の4兆1096億円となった。正味収入保険料は同1.2%増の2兆7480億円。国内は自賠責の料率引き下げ等による減収(▲166億円)があったものの、新種保険を中心に引き受けが拡大し、0.6%(民保ベースでは1.8%)の増収となった。海外は円高の影響(ブラジルレアル安等▲198億円)があったものの、北米を中心に2.2%(為替の影響を除くと4.3%)の増収だった。生命保険料は同6.5%増の7206億円で、国内は旧フィナンシャル生命の変額商品に係る解約減少等で6.2%の増収、海外はTMHCCのメディカルストップロスの引き受け拡大等で7.2%の増収となった。連結経常利益は同30.3%増の3092億円。親会社株主に帰属する四半期純利益は同39.1%増の2216億円で、国内での自然災害増加の影響は異常危険準備金の取崩しでほぼカバーし、加えて、前年度の北米ハリケーン等の反動や海外子会社の利益成長等により、グループ全体で増益となった。

 東京海上日動の保険引受利益は前年同期比123億円減益の284億円だった。正味収入保険料が新種保険を中心に増収したが、自然災害に係る発生保険金の増加、期初からの円安進行に伴う外貨建支払備金積増負担の増加、増収に伴う代理店手数料の増加などがマイナス要因となった。
 正味収入保険料は同0.5%増の1兆6214億円。火災は同2.2%増の2095億円で出再保険料が増加したものの、家計・企業分野における契約件数の増加を主因に増収した。海上は物流量の増加を主因に貨物保険で増収し、同8.6%増の469億円となった。傷害は同2.4%増の1348億円で17年12月の料率改定や加入者数の増加を主因に増収した。その他は超ビジネス保険・業務災害総合保険の販売拡大に加え、前年度の保証保険における解約の反動等により増収し、同5.8%増の2322億円だった。自動車は同0.1%減の7966億円で、補償拡充や契約台数増加の一方、18年1月の料率引き下げの影響で減収した。自賠責は17年4月の料率引き下げを主因に減収し、同7.0%減の2011億円となった。家計地震・自賠責を除いた民保合計は同1.7%増の1兆4195億円だった。
 発生保険金は同1693億円増加し、1兆426億円となった。自然災害に係る発生保険金は同1676億円増の2336億円だった。E/I損害率は同11.3ポイント上昇の73.7%、事業費率は正味収入保険料の増加を主因として同0.1ポイント低下の31.9%、コンバインド・レシオは同11.2ポイント上昇して105.6%となった。
 資産運用等損益は同496億円減益の1596億円で、このうち、ネット利息及び配当金収入は外国株式配当金で海外子会社からの配当金収入が減少したことを主因に同323億円減益の1203億円となった。売却損益等計(キャピタル)は同125億円減益の663億円だった。なお、政策株式売却に伴う売却益は同10億円増加の730億円(売却額930億円)となった。
 経常利益は同606億円減の1903億円、四半期純利益は同489億円減の1526億円、単体ソルベンシー・マージン比率は前年度末比39.4ポイント低下し、787.9%だった。
 日新火災の保険引受利益は前年同期比29億円減益の▲2億円となった。正味収入保険料が火災・新種保険の販売拡大で増収した一方、自然災害に係る発生保険金の増加や前年度の自動車保険における大口事故減少の反動に加え、自然災害に係る保険金支払いに伴う異常危険準備金取崩額の増加や自動車保険の繰入率引き下げが響いた。
 資産運用等損益は有価証券売却損益の増加等により、同6億円増益の21億円となった。
 経常利益は同22億円減の15億円、四半期純利益は同14億円減の12億円だった。単体ソルベンシー・マージン比率は前年度末比63.6ポイント低下し、1257.6%となった。
 東京海上日動あんしん生命の新契約年換算保険料は17年8月の法人向け商品の料率改定前に契約が増加した反動等で、前年同期比20.2%減の558億円となったものの、第三分野は同4.6%増の142億円と堅調に推移。保有契約年換算保険料は新契約の積み上がりにより、同1.5%増の8552億円となった。
 四半期純利益は標準利率引き下げに伴う料率改定前の契約増加で、責任準備金の積み増しが前期に一部発生した反動等により、同74億円増益の189億円、基礎利益は経常利益から外債の売却に係わるマイナス影響や、危険準備金の積み増しの反動等を控除した結果、同85億円増益の323億円となった。単体ソルベンシー・マージン比率は前年度末比220.5ポイント低下したが、2127.6%と高い水準を維持している。
 海外保険事業の正味収入保険料は各事業における成長施策の実行等により、前年同期比4%増の1兆3909億円となった。北米は同9%増の8800億円。フィラデルフィアが更新契約のレートアップや新規契約の拡大等で増収した他、デルファイが損保の新規契約拡大を主因として増収した。TMHCCは前年度に買収したメディカルストップロス事業の貢献や更新契約のレートアップ等により増収した。
 事業別利益はデルファイの資産運用収益の拡大やブラジルにおける収益改善に加え、自然災害に係る発生保険金の減少や米国減税効果等により同86%増の1473億円となった(ハリケーン・マイケルやカリフォルニアにおける山火事等の18年10月以降に発生した自然災害の影響は含まれていない)。北米は同34%増の1224億円。フィラデルフィアは大口事故の影響等があった一方、増収効果や自然災害に係る発生保険金の減少、減税効果により増益となった。デルファイは増収効果や資産運用収益の増加に加え、減税効果等で増益、TMHCCは増収効果や自然災害に係る発生保険金の減少、為替換算損益の改善に加え、減税効果等により増益となった。