2019.02.06 日本生命 代理店チャネル対応に新会社 4月1日「はなさく生命」開業 国内元受4社体制へ

 日本生命が2018年7月2日に設立したニッセイ生保設立準備㈱は2月1日、保険業法第3条第1項の規定に基づき、金融庁から生命保険業の免許を取得した。同免許の取得により、ニッセイ生保設立準備㈱は、社名を「はなさく生命保険株式会社」に変更し、19年4月に開業、19年7月から生命保険販売の開始を予定している。はなさく生命の認可取得を受け、①日本生命②三井生命③ニッセイ・ウェルス生命④はなさく生命―による国内元受4社体制がスタートする。各社の強みを生かしつつ、営業職員チャネルを基軸として、金融機関窓販チャネル、代理店チャネルそれぞれの領域でシナジーを発揮し、シェアアップを目指す。

 はなさく生命の概要は次の通り。
 ▽会社名:はなさく生命保険株式会社
 ▽所在地:東京都港区六本木三丁目2番1号
 ▽資本金:100億円
 ▽株主構成:日本生命保険相互会社100%
 ▽代表者:代表取締役社長増山尚志
 ニッセイ生保設立準備会社は、人々のライフスタイル・生活環境が変化する中、急成長している代理店マーケットのシェアアップを目指して設立された。はなさく生命では、代理店マーケットの主流である医療保険から販売を開始する予定で、商品を比較して購買する志向が高い20~40代の保障中核層をターゲットとする。
 マーケットに受け入れられる商品設計を目指しており、比較的低廉で分かりやすい保険商品を提供するが、単なる低価格戦略ではなく、商品性で同社独自の特長を持たせつつ、事務サービスや代理店サポート等を含めた総合力の高い商品設計を目指す。
 今後は医療・死亡保障等を中心に商品ラインアップを拡充し、20年度末までに新契約件数10万件の販売を計画している。
 チャネルとしては、乗合代理店や保険ショップを中心に商品を販売。これまでも、日本生命では貯蓄性商品、法人向けの保険等を取り扱っているが、今後は競争力の高い商品をはなさく生命から供給することで、市場規模の8割を占める医療・死亡保障領域でシェア拡大を目指し、20年度末までに約3300社の代理店への商品委託を計画している。
 また、はなさく生命では、一から最先端のインフラ設備を取り入れるため、将来起こり得るフィンテック等にも柔軟に対応することが可能と考えており、SNSやAI、ロボットアドバイザー等の先端技術を活用した付加価値の高い商品・サービスの創出を目指す。
 はなさく生命の開業により、今後は日本生命、三井生命、ニッセイ・ウェルス生命と共に国内元受4社体制を構築し、営業職員、金融機関窓販、代理店の各領域でシナジーを発揮し、シェアアップを目指す。
 営業職員領域では、日本生命は17年から三井生命と商品相互供給を進めており、今後も双方の商品ラインアップを拡充していく。
 金融機関窓販領域では、既に三井生命の商品を日本生命のホールセラーが地銀等に提案・サポートしているが、これを19年1月からニッセイ・ウェルス生命でも実施。ニッセイ・ウェルス生命は富裕層のニーズを捉えた商品を有しており、この商品を全国にネットワークを持つ日本生命のホールセラーが提案する。今までニッセイ・ウェルス生命がコンタクトできなかった金融機関へ商品提案を行うことで、同領域のシェアアップを目指す。
 代理店領域は、タイムリーな商品供給が求められるマーケットであり、日本生命とは異なる新たな別ブランド(はなさく生命)の新設により、機動的に商品を供給し、シェアアップを目指す。
 この他のシナジーとして、日本生命と三井生命の有価証券のバック事務を統合(19年上半期までに統合予定)する。事務システムが効率化されるため、約2億円のコスト効果が期待され、三井生命でも金利スワップ取引等が可能になる。