2019.01.10 SOMPOホールディングス グループガバナンス体制等変更 6月 指名委員会等設置会社へ グループCEOの諮問機関設置

 SOMPOホールディングスは2018年12月18日、同日に開催された取締役会において、「監査役会設置会社」から「指名委員会等設置会社」への移行と、新たなグループガバナンス体制を支えるための主要会議体および役員体制の設置等の検討を開始したことを発表した。併せて、指名委員会等設置会社への移行を含むグループガバナンス体制の変更を見据え、一部前倒しして役員体制の設置および人事異動を実施する。

 SOMPOホールディングスグループでは、これまで指名・報酬委員会等を有するハイブリッド型の会社機関設計と運営、事業オーナー制(16年度)、グループ・チーフオフィサー制(17年度)、海外保険事業のプラットフォーム構築(17年度)、介護事業会社の統合(18年度)など、グループ経営体制の強化に向けて着実に取り組みを進めており、次のステージを目指すことができる経験や執行体制の整備が整ってきている。
 そこで今回、SOMPOホールディングスは、グループガバナンス体制の次のステージとして「監査役会設置会社」から「指名委員会等設置会社」に移行し、グループが目指す姿の実現に向け、より迅速に意思決定し、能動的に実行する体制構築を目指すこととした。併せて、監督・執行の立場・役割の明確化による両機能のさらなる強化と、社外取締役を中心とした取締役会への移行による監督のガバナンス体制の強化を図る。
 指名委員会等設置会社への移行は、第9回定時株主総会での定款一部変更の承認を前提として、定款変更の効力が発生する6月を予定している。
 4月には、グローバルに協議し意思決定する体制を構築するため、グループCEOの諮問機関として「Global EXCO」(Global Executive Committee)を設置する。同会議は執行部門の最高位の会議体と位置付けられ、同社海外保険事業の主要メンバーであるジョン・チャーマン氏とナイジェル・フラッド氏を含む、①グループCEO②グループCOO③国内損害保険事業オーナー④海外保険事業オーナー⑤海外M&A統括⑥国内生命保険事業オーナー⑦介護・ヘルスケア事業オーナー⑧グループCFO⑨グループCSO⑩グループCHRO―のメンバーにより構成。グループ全体の戦略的課題等について、執行に係る高い見識と多様な意見による協議を行い、質の高い迅速な意思決定につなげる。
 なお、1月1日に、グループ経営全般の統括においてグループCEOを支援し、主にグループ経営に係る国内事業領域の案件や管理業務案件等に関して意思決定と業務を統括する役職として設置した「グループCOO」(Group Chief Operating Officer)には、同日付で辻伸治氏が就任。4月には、主に国内事業案件や管理業務案件の協議を行うため、グループCOOの諮問機関として「経営執行協議会(MAC)」(Managerial Administrative Committee)の設置を予定している。
 また、同社グループでは、海外保険事業のさらなる成長を目的として、Sompo International Holdings Ltd.(SIH)の傘下に、コマーシャル分野とリテール分野の保険事業を統括するグローバルプラットフォームを構築することを目指して準備を進めており、今回、グループガバナンス体制の変更と併せ、海外ガバナンス体制の変更を行う。
 同プラットフォーム構築に向けたSIHにおける役割の拡大を踏まえ、SIH取締役会メンバーを現在の3人から5人へと順次拡充。加えて、戦略的一貫性を持った海外事業展開によるさらなる成長を目指すため、以下の通り体制を変更する。
 ▽ジョン・チャーマン氏:海外保険事業オーナー兼SIH Executive Chairmanに就任
 ▽ナイジェル・フラッド氏:SIH Chief Executive Officerに就任
 ▽レジャイ・ダラシュ氏:SIHリテール部門の責任者(CEO)に就任
 この他、SIHリテール部門の傘下に、海外保険事業のグループ会社の主要役員をメンバーとしたリテール経営会議を設置することで、コマーシャル分野と同様の経営体制とする。
 国内外での自然災害多発等による厳しい経営環境や、VUCA時代の環境変化への対応の必要性など、同社グループを取り巻く環境は厳しさを増しており、従来以上に変化の激しいこの時代に、敏しょうかつ柔軟に対応できる経営体制の早期確保が求められている。
 同社グループが目指す方向性は、「事業のグローバル化」と「各事業の進化(テーマパーク化)」の2軸を推し進め、「世界で類を見ない企業グループ」となること。その実現に向け、事業のグローバル化と安心・安全・健康に資する多様な事業・サービス展開を支える経営体制をさらに強固なものとするため、今回、グループガバナンス体制の変更等の検討を開始したとしている。