2018.12.21 第一生命 企業年金特別勘定特約に新商品 「第3総合口」19年4月発売 「収益追求型」で利回り確保目指す

 第一生命は、確定給付企業年金向けの新商品「特別勘定特約 第3総合口」を開発し、2019年4月に発売する。同商品は、企業の年金資産運用において、一定のリスク(6~7%程度)を取りつつ「国内短期金利+5%程度」の収益確保を目指す「収益追求型」のバランスファンド(複数の資産に分散投資するファンド)。低金利環境下で安全性資産の収益確保が厳しい中、企業年金が目標とする運用利回り確保を目指す商品として開発した。投資対象の資産を国内外の債券や株式とし、投資効率を考慮して先物・ETF(上場投資信託)を幅広く活用する他、機動的に投資資産の配分を調整することで収益の最大化を目指す。

 同商品は、第一生命と同社グループ会社である資産運用会社Janus Henderson Group plc(以下「ジャナス・ヘンダーソン社」)が日本の企業年金向けに初めて共同開発したもの。ジャナス・ヘンダーソン社は、第一生命ホールディングスの出資比率15.4%(18年10月26日時点の発行済株式数を基に算出)の関連会社で、米・欧市場それぞれで10兆円超の資産を受託している。
 今回発売する「第3総合口」は、複利リターン追求型の商品。高度リスク分散型の「第2総合口」と比較すると、「第2総合口」では目標リターン3%程度、リスク水準3~4%程度のところ、「第3総合口」では目標リターン5%程度、リスク水準6~7%程度としている。ポートフォリオの大幅なマイナスリターンを抑制すると同時に、大幅なプラスリターンの獲得を追求することによって、「中長期における複利リターンの最大化」を目指した運用を実施する。
 同商品の運用戦略は次の通り。
 (1)オプション市場に織り込まれている将来価格の予測情報に基づくフォワードルッキングな資産配分
 (2)急激なファンド価格の下落率(ドローダウン)の制約による価格下落リスクの抑制
 (3)多種多様な先物・ETFの組み入れによる収益追求とリスク分散
 複利とは、元本と利子を合わせた金額に対して利子が付くこと。複利リターン追求型の「第3総合口」では、元本に利息を加えた元利合計を新たな元本として再び投資することで、継続的に運用されて元本がふくらんでいく「複利効果」によって、運用利回りの確保を目指す。
 複利の運用で中長期的なリターンを最大化するためには、大幅なマイナスリターンの抑制とリスクテイクによるプラスリターンの獲得が重要となる。04年4月から18年9月までのデータを使用したバックテストでは、「第3総合口」は、グローバル株式インデックスであるMSCI―KOKUSAI(円ベース、配当再投資、GROSS)が堅調な年度では大幅なプラスリターンを獲得し、軟調な年度ではマイナスリターンを抑制していることが確認できている。
 ちなみに、ジャナス・ヘンダーソン社では「第3総合口」と類似した運用手法を用いる同社商品「Adaptive戦略」の運用を15年7月から行っており、18年9月末時点での運用残高は7億2700万ドルとなっている。