2018.11.02 三井住友海上 中国太平洋保険と包括提携締結 海外進出中国企業 現地の保険を元受

 三井住友海上は10月26日、戦略的提携パートナーである中国保険大手の中国太平洋保険(集団)株式会社(以下「太平洋保険」)と、「海外事業に対するリスクソリューション提供に関する包括提携」を締結した。同提携は、中国の海外進出企業および進出先の国・地域の経済成長への貢献を目指し、日中の民間企業間の交流促進につなげるプロジェクトの一つとして、同日に中国・北京で開催された「日中第三国市場協力フォーラム」の場で締結に至ったもの。三井住友海上は、これまで培ってきたグローバルネットワークと引受ノウハウを生かし、中国から海外に進出する企業向けに保険関連サービスを提供することで、現地での事業活動を支援する。

 今回の包括提携締結により、三井住友海上は、海外展開を行う太平洋保険の顧客等に対し、同社の海外拠点を通じた保険引受を行う他、リスクに対する評価や顧客へのアドバイス等のサービスを提供するための支援態勢を構築する。
 保険引受は、同社または同社提携パートナーが現地で引受保険会社(元受)となり、太平洋保険が再保険の形でリスクを引き受ける。
 同社と太平洋保険は、2004年10月の提携以降、保険の引受や商品開発、事故対応やリスクマネジメント等、広範囲な分野において着実に実績を積み重ねてきた。今回、海外進出を拡大する太平洋保険の顧客等の支援を強化するため、同提携を締結することとなった。
 中国企業の海外進出は近年急速に拡大しており、世界各地でインフラ案件等の受注が増加している。現地で長期安定的に事業を行うためには保険関連サービスが必要となるが、現時点で中国の保険会社の海外ネットワークは限られている。
 三井住友海上は、90年以上にわたる海外事業での豊富な経験と引受ノウハウに加え、世界42カ国の拠点と戦略的な提携関係を通じたグローバルネットワークを有し、特に中国企業の進出が顕著なASEAN地域においては、10カ国全てで保険の引受を含むサービスの提供を行っている。また、今後発展が見込まれるアフリカ地域においても、同社は現地パートナー保険会社との提携ネットワークを有しており、大多数の国で保険引受、サービスの提供を行うことができる。
 今後は、同社のグローバルネットワークと保険引受のノウハウを活用し、太平洋保険がリスクを引き受けることで、両社の提携関係を強化するとしている。
 太平洋保険の会社概要は次の通り。
 ▽社名:中国太平洋保険(集団)株式会社
 ▽代表者:董事長 孔慶偉
 ▽設立日:1991年5月
 ▽本社所在地:中国・上海市
 ▽資本金:90.6億人民元(約1450億円)
 ▽売上高:3194億人民元(約5兆3000億円)
 ▽税引後利益:147億人民元(約2400億円)
 ▽拠点:中国全土
 ▽従業員数:約10万人
 ▽URL:http://www.cpic.com.cn/