2018.10.18 東京海上日動 商工会議所会員事業者向けGLTD、業界初 売上高や業種をもとに加入
東京海上日動はこのほど、商工会議所の会員事業者向け「団体長期障害所得補償保険」として、「全国商工会議所の休業補償プラン『ナイスパートナー・長期休業補償(無記名・売上高方式)』」を発売した。同商品は、中小企業の抱える「人手不足」「メンタルヘルス不調者の増大」といった経営課題の解決や、魅力ある福利厚生制度の構築を支援するため、同社が商工会議所と連携して開発。売上高や業種をもとに加入が可能な商品は業界初だという。加入対象は各地商工会議所の会員事業者で、保険期間は2019年3月31日~1年間となる。
同商品は、「売上高」と「業種」をもとに簡易に加入が可能であることに加え、中小企業のニーズに沿った3パターンの定型プランを用意している。また、商工会議所の会員事業者として、団体割引(30%)が適用される。
さらに、「健康経営支援パッケージサービス」が自動付帯され、次のサービスの提供を受けることができる。
①メディカルアシスト
▽各種医療に関する相談に電話により対応。
▽夜間の緊急医療機関や最寄りの医療機関を案内。
②デイリーサポート
▽法律・税務・社会保険に関する電話相談や暮らしのインフォメーション等、役立つ情報を提供。
③介護アシスト
▽介護に関する相談に電話により対応。
▽高齢者の生活を支える各種サービスを優待条件で紹介。
④メンタルヘルスサポート
▽産業看護職が、休業・職場復帰支援の体制構築について訪問や電話により相談に対応。
▽ストレスチェックサービスをウェブ上で実施。個人宛てのフィードバックと集団的分析の報告書を提供。
⑤労務トラブル・経営支援サービス
▽労務トラブル等が発生した場合に、社会保険労務士等の専門家を派遣し、再発防止のためのセミナー等を開催。
⑥職場復帰支援サービス
▽休職した従業員の仕事に関する悩み・不安への支援として、1対1での個別キャリアコンサルティングを提供。
⑦Web学習支援サービス
▽従業員がウェブ上で「メンタルヘルスケア」「ハラスメント」等の動画教材を視聴し、その後に確認テストを受けることができる教育コンテンツを提供。
近年、少子高齢化に伴う労働力人口の減少によって人手不足が顕在化しており、特に中小企業にとっては重要な経営課題となりつつある。また、人手不足による長時間労働やストレスフルな職場環境の増長は、メンタルヘルス不調者の増大を招き、大きな社会問題となっている。
中小企業庁による「中小企業・小規模事業者の人材確保と育成に関する調査」(14年)では、中小企業の約4割が人材の確保ができていないと回答し、その理由として、半数以上の企業が「人材の応募がない」ことを挙げている。
また、3年に1度実施されている厚生労働省の「患者調査」によると、14年の精神疾患患者数は、15年前の約2倍の392万4000人に増加しており、今後もさらに増えることが予想されている。
このような状況の中、政府は「働き方改革」を提唱して「健康経営(注)」の普及啓発に取り組んでおり、東京海上日動でも、企業の「健康経営」の推進を支援してきた。
また、商工会議所では、中小企業の成長力の確保のための一つの方策として「健康経営の推進」を掲げており、これを国民運動として推し進めている。
同社では、このような中小企業を取り巻く環境を踏まえ、魅力ある福利厚生制度の構築を支援するため、加入のしやすさを追求した「団体長期障害所得補償保険」を商工会議所と連携して開発したとしている。
(注)「健康経営」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標。