2018.10.16 損保ジャパン日本興亜 「故障運搬時車両損害特約」新設、走行不能時の損害補償
損保ジャパン日本興亜は、自動車保険で「故障運搬時車両損害特約」を新設し、来年1月から提供開始する。契約の自動車が故障により走行不能となり、レッカーけん引された場合に、その故障車両の修理費を補償する特約。同社によれば、故障損害に対する車両の修理費を補償対象とする特約の提供は、損保会社で初めてという。2019年1月1日以降を保険始期日とする契約から販売する。
故障運搬時車両損害特約は、自動車ディーラー等が提供している延長保証制度を補完するもので、「THEクルマの保険(個人用自動車保険)」「SGP(一般自動車保険)」に任意で付帯可能。記名被保険者(主に車を運転する人)が個人のノンフリート契約、車両保険を適用した自家用乗用車(普通・小型・軽四輪)の契約(レンタカーや教習用自動車など、一部の自動車は対象外)、契約期間の初日の属する月が初度登録(検査)年月の翌月から起算して60カ月以上の契約―を全て満たす契約に付帯できる。
契約の自動車が故障で走行不能になるとともにレッカーけん引された場合に、契約の自動車の故障損害に対して、協定保険価額または100万円のいずれか低い額を限度に保険金を支払う。
既存の、自動セットされる「ロードアシスタンス特約」では、レッカー費用を補償する他、「代車等諸費用特約」(30日型)を付加すれば、代車・宿泊・移動費用を補償する。今回新設の特約により、故障車両がレッカーけん引された場合(事前に損保ジャパン日本興亜に連絡が必要)は、レッカー費用や代車・宿泊・移動費用だけでなく、故障車両の修理費を含めた必要な補償を提供することが可能となる。なお、自動車検査証に記載された有効期限の満了する日の翌日以後に発生した故障損害、法令上の定期点検を実施していないことに起因する故障損害は補償されない。
同特約で保険金を支払った場合、「1等級ダウン事故」の扱いとなる。保険料は平均約2000円。
近年、自動車の保有年数が長期化しており、故障損害への備えに対するニーズが高まっている。これまでの自動車保険では、故障車両自体の修理費については保険金の支払い対象とならず、顧客が自己負担するケースが発生していた。
損保ジャパン日本興亜では、補償対象となる故障損害の主な事例として、①オイルポンプの破損などによる油圧の低下や冷却システムの故障が原因でオーバーヒートし、エンジンが破損し動かなくなった②何らかの原因でATミッション内部の油圧が低下し、オイルが焦げたような異臭が発生した結果、自動車が動かなくなった―などを挙げている。