2018.09.06 損保ジャパン日本興亜 認知症等で補償対象拡大、「責任無能力者の監督義務者」追加
損保ジャパン日本興亜は、認知症等により責任能力を有していない者(責任無能力者)と判断される場合の自動車事故に対応するため、来年1月に自動車保険を改定する。認知症等の人の配偶者や親族など責任無能力者の監督義務者を補償の対象となる被保険者に追加する。SOMPOホールディングスグループが認知症に関する社会的課題に注目し、「認知症にならない・なってもその人らしく生きられる社会」を目指す「SOMPO認知症サポートプログラム」の取り組みの一環。高齢者等を取り巻く社会環境に合致した商品・サービスの提供に力を入れていく。
改定により、記名被保険者(主に運転する人)、その家族(配偶者、同居の親族、別居の未婚の子)または許諾被保険者(記名被保険者の承諾を得て契約自動車を使用または管理中の者)が起こした事故で、こうした人の監督義務者等(親権者、監督義務者、監督義務者に準じる者〈親族に限る〉)が法律上の損害賠償責任を負った場合は、その監督義務者等が被保険者に含まれ補償の対象となる。
現行の自動車保険でも、多くのケースで記名被保険者等の監督義務者は補償の対象となっているが、一部の例外的なケースで、監督義務者が補償の対象とならない場合があるため、その場合の監督責任を補償するためのセーフティーネットとして補償を拡充する。
補償の対象となるのは、例えば、認知症の被保険者である親が運転する車で自動車事故を起こしたものの、責任無能力とされ、別居の既婚の子が監督責任を負った場合。改定で、別居の既婚の子が負う法律上の損害賠償責任についても、被保険者(親)の保険契約で補償の対象となる。
また、認知症の許諾被保険者が起こした自動車事故について、配偶者が監督責任を負う事例にも対応。知人の記名被保険者Aから車を借用した、認知症の許諾被保険者Bが事故を起こし、Bの配偶者Cが監督責任を負った場合、許諾被保険者の監督義務者が負う法律上の損害賠償責任についても、記名被保険者Aの保険契約で補償の対象となるよう改定する。
対象となるのは、「THE クルマの保険(個人用自動車保険)」「SGP(一般自動車保険)」の対人賠償責任保険・対物賠償責任保険。2019年1月1日以降を保険始期日とする契約から改定を実施する。
近年、高齢者による自動車事故の割合の増加に社会的関心が高まっている。加齢による認知機能低下が原因と考えられる自動車事故も発生し、万が一、認知症等の運転者本人が責任無能力者と判断された場合、周囲の家族等に監督責任が及ぶ可能性がある。同社では、こうしたケースに対応するため、今回、責任無能力者の監督義務者を補償の対象に含める改定を行った。