2018.08.20 SOMPOHD 18年度第1四半期決算 連結で大幅増益果たす

SOMPOホールディングスがこのほど発表した2018年度第1四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比2%減の9939億円で、このうち正味収入保険料は同3.9%減の7473億円となった。生命保険料は同1.9%増の831億円だった。連結経常利益は、損保ジャパン日本興亜の増益を主因として、同358億円増の727億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同284億円増と前年同期から倍増して555億円を記録し、いずれも大幅な増益を果たした。当期純利益の通期業績予想(2100億円)に対する進捗(しんちょく)率は26%となった。なお、平成30年7月豪雨(西日本豪雨)など7月までに発生した国内自然災害の正味発生損害額は7月末時点で累計380億円程度を見込んでいる。

 国内損保事業のうち損保ジャパン日本興亜は、保険引受利益から異常危険準備金に係る影響を除いたコア保険引受利益の拡大を主因に、保険引受利益は同47億円増の224億円と増益を確保した。
 正味収入保険料は、新種保険の増収がトップライン増加をけん引したものの、合計は同1.1%減の5535億円にとどまった。種目別では、その他が中小企業向けパッケージ商品の販売が引き続き好調だったことから同10.5%増の940億円、このうち賠償責任は同11.2%増の560億円と2桁の伸びを示した。海上は同1.1%増の115億円。火災は海外受再契約をSI(Sompoインターナショナル)へ移管したことなどを主因に同4.2%減の584億円、自動車は契約台数増加の一方、18年1月の料率改定の影響で同0.7%減の2736億円となった。ただ、台数の対前年同期比は、ノンフリート・フリートの合計で0.7%増と進展している。傷害は同2.4%減の526億円、自賠責は同12.9%減の632億円と前年度実績を下回った。自賠責・家計地震を除いた合計は同0.7%増収の4901億円となった。
 正味支払保険金は同3.7%減の2938億円。自賠責と家計地震を除いたE/I損害率は同0.7ポイント低下し57.6%だった。火災の正味損害率は前年度の大口事故支払影響の剥落などにより同20.7ポイント低下と大きく改善。事業費は物件費(同19億円減)を中心に着実に削減し、正味事業費率(自賠責・家計地震を除く)は同1.2ポイント低下の32.8%となった。また、コンバインド・レシオ(自賠責・家計地震を除く)は、同3.8ポイント低下の87.6%で、90%を下回る良好な水準で推移している。
 資産運用損益では、期初から政策株式売却を進展させたこともあり、資産運用粗利益は同102億円増の353億円と計画通り進捗している。
 経常利益は同164億円増益の527億円。当期純利益は同148億円増益の391億円となった。単体ソルベンシー・マージン比率は前年度末比21.1ポイント上昇して756.2%だった。
 国内生保事業で、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命は、4月発売の収入保障保険「リンククロス じぶんと家族のお守り」(無配当無解約返戻金型収入保障保険)の申込件数が発売114日で5万件に達するなど、保障性商品の新契約が増加し、新契約高(個人保険)は前年同期比217.6%と大幅に増加して1兆2879億円となった。新契約年換算保険料は同0.9%減の90億円で、このうち保障性商品は同30.7%増の54億円となった。保有契約高(個人保険と個人年金保険)は、前年度末比3878億円増の22兆5135億円。保有契約年換算保険料は同15億円増の3720億円だった。当期純利益は、保有契約の拡大に加えて、責任準備金繰入負担の減少などもあり、前年同期比25億円増の47億円と、通期業績予想(120億円)に対して進捗率39%と順調に進展している。
 保険料等収入は同0.8%増の1054億円、経常利益は同73.9%増の78億円、基礎利益は87億円で同62.9%の増益となった。単体ソルベンシー・マージン比率は1532.7%で、前年度末比19.6ポイント上昇した。
 介護・ヘルスケア事業等(SOMPOケア、アセットマネジメントなどの合計)の業績は、入居率が引き続き向上したことなどにより、当期純利益は前年同期比3億円増益の11億円となった。
 海外保険事業の収入保険料は同249億円減の1794億円となった。修正利益(第1四半期)は同6億円増の119億円。再保険市場のハード化が期待を下回るものの、季節性などを勘案するとおおむね計画通りに進捗している。売却したSompoキャノピアスの17年度収入保険料は1297億円、修正利益は▲268億円で、同社売却完了に伴い、本年度は影響が剥落している。第1四半期の同社売却の影響は、収保で▲357億円、修正利益で▲12億円。
 地域別に見ると、収入保険料は欧米が同165億円増の1365億円、アジア・中東が同25億円減の209億円、南米は同33億円減の218億円だった。修正利益は、アジア・中東が同14億円増の35億円、南米が同11億円増の7億円と増益を確保したが、欧米は為替の影響もあって同7億円減の76億円と減益になった。
 なお、損保ジャパン日本興亜の本年度発生の国内自然災害に係る期中の正味支払保険金(自賠責・家計地震を除く)は、同5億円減の合計4億円だったが、18年度通期業績予想では国内自然災害の正味発生損害額として480億円を織り込み済みとしている。