2018.08.14 MS&ADHD 18年度第1四半期決算 グループ正味収保増加
MS&ADインシュアランスグループホールディングス(MS&ADHD)が8月8日に発表した2018年度第1四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比1.3%減の1兆4616億円となった。正味収入保険料は国内損保子会社で料率改定の影響があった自賠責の減収(▲120億円)を主因に減収となったものの、海外保険子会社がMS First Capitalの新規連結および為替影響などで増収したことによって同1.6%増の9705億円となった。生保では、生命保険料が同17.5%増の2905億円で、グロス収入保険料は同9.3%増の3625億円だった。経常利益は三井住友海上で政策株式売却損益が減少したことを主因に減益となったものの、あいおいニッセイ同和損保、三井住友海上プライマリー生命の増益などが寄与し、グループとしては同0.7%増の1254億円となった。四半期純利益は三井住友海上の減益を主因に同8.5%減の838億円。四半期純利益の年間純利益予想2000億円に対する進捗(しんちょく)率は41.9%と計画ラインを上回る順調な滑り出しとなっている。
国内損保主要2社の業績で、保険引受利益は三井住友海上が同38億円減益の281億円、あいおいニッセイ同和損保が同36億円増益の195億円となり、2社合計では同2億円減益の477億円だった。
正味収入保険料は、2社合計で同30億円減の6861億円。三井住友海上は同5億円減の3764億円、あいおいニッセイ同和損保は同24億円減の3097億円となった。
三井住友海上の正味収入保険料を種目別に見ると、火災は同0.5%増の435億円、海上は同8.7%増の164億円、傷害は同2.4%増の408億円、その他は同6.6%増の672億円と前年同期比プラスで推移したものの、自動車が同0.4%減の1685億円、自賠責が同14%減の397億円と前年同期実績を下回り、合計は同0.2%減の3764億円だった。除く家計地震・自賠責ベースでは、同1.8%増の3365億円。
正味支払保険金は同2.9%増の1970億円、家計地震・自賠責を除いたEI損害率は同2ポイント上昇し、54.5%、正味事業費率は同0.6ポイント上昇し、31.8%となった。コンバインド・レシオは同2.2ポイント上昇して89.9%だった。
あいおいニッセイ同和損保の正味収入保険料の種目別では、火災が同1%増の406億円、海上が同1.6%増の19億円、傷害が同4.2%増の173億円、自動車が同0.5%増の1775億円、その他が同3.3%増の358億円と前年同期実績を上回ったものの、自賠責が同13.3%減の363億円と前年同期比マイナスで推移し、合計は同0.8%減の3097億円となった。除く家計地震・自賠責ベースでは、同1.2%増の2732億円。
正味支払保険金は同124億円増加して1619億円、家計地震・自賠責を除いたEI損害率は同1.7ポイント上昇して54.5%、正味事業費率は前年同期比横ばいの33.6%、コンバインド・レシオは同4.7ポイント上昇して90.9%となった。
国内損保主要2社の資産運用・その他収支は、政策株式の売却額が前年同期比で206億円減少したこと等により、有価証券売却損益が96億円減少したことを主因に同93億円減益の616億円となった。三井住友海上は同111億円減益の446億円、あいおいニッセイ同和損保は同18億円増益の169億円だった。
2社合計の経常利益は同95億円減益の1093億円で、三井住友海上は同150億円減益の728億円、あいおいニッセイ同和損保は同54億円増益の364億円となった。2社合計の四半期純利益は保険引受利益がほぼ前年同期並みとなったが、資産運用損益が減益となったことを主因に同78億円減益の812億円となった。三井住友海上は同114億円減益の551億円、あいおいニッセイ同和損保は同36億円増益の260億円だった。ソルベンシー・マージン比率は三井住友海上が前年度末比15.2ポイント上昇して716.3%、あいおいニッセイ同和損保が同1.9ポイント低下して782.1%となった。
国内生保事業で、三井住友海上あいおい生命は、新契約高(個人合計)が収入保障保険の販売が好調だったことを主因に前年同期比45.2%増の9146億円となった。新契約年換算保険料は同11.3%増の94億円で、このうち第三分野は新商品の販売が好調だったことなどから同32.7%増の40億円と大幅な伸びを示した。保有契約高(個人合計)は同3.4%増の24兆1145億円。保有契約年換算保険料は同2.7%増の4137億円で、このうち第三分野は同9.9%増の991億円だった。
保険料(グロス収入保険料)は同1.3%減の1167億円。経常利益は同1.3%増の50億円、四半期純利益は同12.3%減の21億円、基礎利益は同26.9%増の48億円となった。商品改定による責任準備金負担の減少等により基礎利益は増益となったものの、有価証券売却損益の減少により四半期純利益は減益となった。
三井住友海上プライマリー生命の新契約高(個人合計)は同16.4%増の2480億円、保有契約高(個人合計)は同2.8%増の6兆2287億円だった。
保険料(グロス収入保険料)は変額商品および定額商品ともに増収し、同15.2%増の2458億円となった。経常利益は同210.3%増の167億円、四半期純利益は定額商品の保有契約増加による利ざやの拡大などから同101.6%増の68億円だった。
海外保険子会社業績は、正味収入保険料が同7.4%増の2742億円(為替影響を除いたベースでは1.7%の増収)となった。アジアの増収の主因は、MS First Capitalの新規連結効果(52億円)。欧州の増収はMS Amlinが為替影響で増収となったことを主因とする。四半期純利益は同10.9%減の44億円。アジアは、MS First Capitalの新規連結効果(10億円)に加え、EI損害率が低下したことなどから25億円の増益となった。欧州はMS Amlinを主因に31億円の減益だった。
国内自然災害の影響については、第1四半期の国内自然災害のインカードロスは大きな災害がなかったことから、当年度と同様に大きな自然災害のなかった前年同期並みとなる12億円。このうち大阪府北部を震源とする地震に係るインカードロス(除く家計地震)は12億円。平成30年7月豪雨による保険金支払いについては、年度内に再保険の回収や異常危険準備金の取り崩しで十分に相殺する見込みのため、現時点で当期決算への影響はない。なお、同社グループは異常危険準備金を毎年順調に積み増しており、その点でも大きな影響はないという。