2018.07.25 損保協会 定例会見、大阪北部地震、西日本豪雨の対応状況報告
損保協会は7月20日、業界紙向け定例記者会見を行い、大阪北部を震源とする地震、平成30年7月豪雨(西日本豪雨)に係る情報提供活動と、そんぽADRセンターの対応状況を報告した。情報提供活動は、被災地域の各自治体と連携して避難所などに情報提供していることを説明した。また、そんぽADRセンターでの自然災害等契約照会制度の受付件数は、発生から約1カ月が経過した大阪北部を震源とする地震は、7月19日時点で14件である一方、西日本を中心に広い範囲で記録的な大雨となり、各地で甚大な被害が発生した平成30年7月豪雨は、同じく7月19日時点で184件寄せられているという。
大阪北部を震源とする地震では、初期対応として、6月18日に大阪府と連携し、同府経由で災害救助法適用の市町村の消費生活センターに「地震保険の参考資料(含む相談窓口)」について情報提供した。25日には、損保各社(外国社含む)の問い合わせ先を読売新聞(大阪本社版)に掲載したことと特定修理業者に関する注意喚起チラシについて、29日には「大阪北部を震源とする地震に係る地震保険の事故受付件数」を同協会のウェブサイトに掲載したことを、同府経由で同法適用の市町村の消費生活センターに情報提供した他、「保険会社を装った詐欺まがいの勧誘」が現地で発生しているという話を受け、相談員への情報提供を依頼した。
そんぽADRセンターの対応については、7月19日時点、自然災害等契約照会制度の受付件数は14件。相談・苦情件数は142件(相談102件、苦情40件)で、県別では大阪府が96件、その他近畿地域が11件となっているが、近畿地域以外からも35件あるという。主に地震保険の補償範囲、損害調査結果、特定修理業者関連などの相談・苦情が寄せられている。
平成30年7月豪雨への対応では、災害対策本部基本方針として、①被災者の生活の安定に資するという保険の目的を果たすために、損害保険業界として総力を挙げて対応する②被災契約者等に迅速・的確・公平に保険金をお支払いするため、損害保険業界として全力を挙げて対応する③契約者や被災者に安心いただけるよう、親切かつ丁寧な相談対応を行う―の3点を定めている。同協会本部に対策本部が設置された時に決定し、既に損保各社に周知しているものだが、19日の第39回理事会において、同方針の下に取り組んでいくことを確認した。
初期対応として、7月8日に高知県、岡山県、9日に鳥取県、広島県、京都府、兵庫県、愛媛県、岐阜県、13日に島根県、福岡県、17日に山口県と連携し、各府県経由で災害救助法適用の市町村の消費生活センターに「自然災害を補償する損害保険」について情報提供した。また、損保各社の損害保険に関する相談、事故の連絡窓口案内と特別措置等をまとめたチラシを作成。19日に損保各社へデータを提供(ウェブサイトにも掲載)するとともに、各府県の消費者行政窓口経由で、同法適用の市町村の消費生活センターにチラシデータを提供している。今後は同協会の支部や損保各社などにチラシを納品し、被災地域の各自治体と連携して避難所などに情報提供していく予定だ。
そんぽADRセンターの対応では、7月19日時点、自然災害等契約照会制度の受付件数は184件。相談・苦情件数は106件(相談102件、苦情4件)で、県別では岡山県が最も多く34件、次いで広島県が24件、それ以外が48件となっている。主に契約内容の照会や補償範囲の確認などに関する相談が寄せられている。
定例会見ではこの他、フィリピン損保協会との協力覚書の締結について報告があった。5月4日に原典之前協会長がフィリピン損保協会を訪問した際に、両協会の緊密な関係を一層深められるよう、協力覚書の締結に向けて検討を進めることを確認。これを受けて、両協会間で検討した結果、6月28日に原前協会長とフィリピン損保協会のデラクルス協会長との間で協力覚書を締結した。両協会の役割・機能強化による両国保険市場の健全な発展、経済・国民生活の向上への貢献を目的に、専門知識・経験の共有や情報交換、相互訪問などを実施する。損保協会としての協力覚書締結は、今回で13カ国目となる。