2018.06.27 損保料率機構 火災・傷害の参考純率改定、住宅総合保険 平均5.5%引き上げ
損害保険料率算出機構(損保料率機構)はこのほど、火災保険と傷害保険の参考純率を改定すると発表した。住宅総合保険を平均で5.5%引き上げ、普通傷害保険・家族傷害保険を平均で2.9%引き上げる一方、交通事故傷害保険・ファミリー交通傷害保険を平均で11.3%引き下げる。5月21日付で金融庁長官への届け出を行い、6月15日に適合性審査結果通知を受領した。
火災保険の改定は、2012年度までの保険統計データを基に算出した前回の改定以降、関東甲信に被害をもたらした13年度の大規模な雪災や九州が被害を受けた15年度の台風15号などの自然災害により、保険金の支払いが増加したことを受けたもの。同機構の集計によると、雪災、風災、ひょう災による保険金の支払いは12年度の660億円(雪災190億円、風災・ひょう災470億円)に対し、13年度は1590億円(雪災1290億円、風災・ひょう災300億円)と急増。15年度も960億円(雪災150億円、風災・ひょう災810億円)と高い水準だった。
冬季の凍結や老朽化などで水道管等に生じた事故による水濡れ損害での支払い増加も改定の要因となった。水濡れ損害による支払保険金は、12年度には190億円だったが、15年度は230億円に増加した。
参考純率における保険金額が建物2000万円、家財1000万円の場合、M構造の改定率は東京都で20.4%、大阪府で12%、愛知県で7.2%、それぞれ引き上げる。
一方、傷害保険の改定については、平均寿命の延伸に伴い、国民全体の高齢化が進み、傷害保険の補償の対象者についても高齢者の割合が増加していることを背景に、傷害を被るリスク(傷害リスク)は、加齢とともに高まる傾向があることから、参考純率の引き上げが必要になった。
また、近年、交通安全基本計画に基づく道路交通環境の整備、車両の安全性の確保等の諸対策の推進により、交通事故による死者数・負傷者数が減少。補償内容が主に交通事故による傷害に限定される交通事故傷害・ファミリー交通傷害では、参考純率の引き下げを行う余地が生じた。
普傷、家傷の保険金額が、本人死亡等550万円、同入院日額4500円、同通院日額2500円、配偶者死亡等300万円、同入院日額4500円、同通院日額2000円、その他親族死亡等250万円、同入院日額3500円、同通院日額1500円、交傷、ファミ交傷の保険金額が、本人死亡等650万円、同入院日額5500円、同通院日額2500円、配偶者死亡等600万円、同入院日額7000円、同通院日額2000円、その他親族死亡等350万円、同入院日額5500円、同通院日額1500円の契約例で、改定率は、図表2の通り。