2018.05.07 損保ジャパン日本興亜 「スマートハウス向け火災保険」発売、サイバーリスク・売電収入を補償

損保ジャパン日本興亜は8月、スマートハウスなど次世代型の省エネルギー住宅の普及を促進するため、業界で初めて「スマートハウス向け火災保険」を発売する。IoT機器・住宅設備等がサイバー攻撃を受けた際の損害や、太陽光発電システムの損害で生じた売電収入の損失も補償する。急速なデジタル技術の革新に伴い、住宅の利便性や快適性のさらなる向上が期待される中、最先端の技術の普及を後押ししたい考えだ。2018年8月1日始期契約から販売開始する。
 「スマートハウス向け火災保険」は、個人向け火災保険の主力商品である「個人用火災総合保険」の「IoT住宅費用『売電収入・サイバーリスク』特約」として販売する。
 IoT機器・住宅設備等がサイバー攻撃を受け、不正アクセスや個人情報漏えい等によって生じた修理費用、情報漏えい対応費用、データ復旧費用、再発防止費用等を補償する。対象となる機器は、エアコン、テレビ、スマートスピーカー、洗濯機などのIoT家電やスマートロック、ウェブカメラ、照明機器、宅配ボックス、車庫のシャッターなどのIoT住宅設備の他、パソコン等の通信機器など。
 また、太陽光発電システムが火災、落雷、風災、ひょう災などの事故で損害を受けた結果生じた売電収入の損失も補償する。
 想定される事故として同社では、「インターネットでつながっているテレビがウイルス感染により壊れた」「自宅のパソコンがウイルス感染で作動しなくなり、保存していた知人の名前や住所が漏えいした」「台風で屋根に設置していた太陽光パネルが壊れ、修理するまでの間、売電収入が減少した」といった事例を挙げている。
 IT技術の進展などを背景に、エネルギー消費の抑制や環境負荷の低減を目的として、近年、スマートハウスやZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、注)等に代表される省エネルギー住宅の普及が進んでいる。政府の「エネルギー基本計画」では、2020年までに新築住宅の半分をZEHにするとの目標が掲げられ、今後の普及が見込まれている。
 省エネルギー住宅の特徴としては、「太陽光発電システムによるエネルギーの創出」や「スマート家電等に代表されるIoT機器・設備のネットワークによる相互接続」などがある。一方で、国内でも、住宅のIoT機器を狙ったサイバー攻撃が発生するなど、社会環境の変化とともに、新たな脅威が発現しているのが現状だ。
 こうした状況の下、同社では、顧客の安心・安全・健康な暮らしを守り、快適性と省エネルギーを両立する次世代型住宅の普及を促すため、サイバーリスクによって生じた費用と太陽光発電システムが事故で損害を受けた場合の売電収入の損失を補償する新商品の開発に至ったとしている。
 (注)室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した住宅。