2018.04.26 第一生命HDと楽天生命が提携 楽天市場出店者に保険、新商品開発等で共同研究へ

第一生命ホールディングスと楽天生命は4月23日、業務提携で基本合意したと発表した。楽天市場の出店企業向けサービスとして、出店者と出店者従業員等に向けた保険商品を第一生命グループが提供し、楽天生命が紹介・提案する。先端技術・サービスに関する調査・研究等を共同で検討していくことでも合意した。両社は、その他の分野でも協業を進めるとともに、業界内でそれぞれが高い競争力を有する分野を相互に補完。共に販路拡大を目指し、直販営業組織の強化等を含めた人材交流を予定している。
 第一生命HD傘下のネオファースト生命が楽天市場の出店企業向けにカスタマイズした保険を、楽天生命の営業組織が出店企業に向けて紹介・提案する。金融庁の認可を前提として、年内をめどに開始する予定。
 また、今後、第一生命グループ・楽天グループの有するリソースを踏まえ、両社が国内外に有するテクノロジーとスタートアップ企業とのネットワークを生かし、新たな商品・サービス開発に資する共同研究を検討・実施していく。
 第一生命グループでは、本年度から新たにスタートした中期経営計画「CONNECT2020」で、「CONNECT(つながり・連帯・協働)」の視点から、さらなる成長を目指していくことを基本戦略としている。業種や業界の垣根を越えて複数の企業や団体が共存共栄する仕組みを目指し、外部の知見やアイデアを活用しながら生保事業のイノベーション創出に向けた施策を打ち出すとともに、マーケティングの強化、商品・サービスの拡充、販売チャネルの高度化・多様化を重点分野と位置付け、取り組みを進めている。
 また、楽天生命では、国内最大級のEコマース「楽天市場」を中心に70を超える事業を幅広く展開している楽天グループの一員として、インターネットやモバイルなどを通じた保険販売により、同グループ会員に対する保障機能の発揮に向けて取り組んでいる。また、楽天市場などEコマース分野を中心に培われたグループのデータ分析の強みを生かしつつ、先端的な技術研究と実務の両面から、革新的な生命保険商品・サービスの開発を目指している。
 世界第2位の市場規模を有する日本の生命保険市場を取り巻く環境は刻々と変化。世界的なテクノロジーの進歩や経済環境の変動、日本国内における超低金利環境の長期化、人口減少の継続、ライフスタイルの変化等、顧客のニーズの高度化と多様化が進んでいるのが提携の背景にある。
 両社は今後、まず商品供給分野で、第一生命グループの強みである経営者保険や貯蓄保険等の開発力と楽天グループの強みである国内最大級の顧客基盤を相互補完・融合し、それぞれの持続的な企業価値の向上を共に実現するため、包括的に協業。また、それぞれ築き上げてきた事業基盤を活用するなど、先端技術・サービスに関する調査・研究も進めていくとしている。