2018.03.27 日本生命 アマゾンAlexa対応「脳トレ」、認知症対策スキル提供

日本生命は3月20日、クラウドベースの音声認識サービス「Amazon Alexa」に対応した認知症対策スキル「ニッセイ脳トレ」の提供を開始した。「認知トレーニング」と「生活習慣アドバイス」を楽しめる脳トレコンテンツで、全年齢層が楽しめるクイズ形式で構成。認知症予防には、日常的な脳への刺激や生活習慣の改善が有効とされており、多数のコンテンツを、ユーザーが毎日継続しやすい仕組みで提供する。同社では、「人生100年時代」を生きる一人一人が「安心して・自分らしく」過ごすことができる社会づくりをサポートするため、「Gran Ageプロジェクト」を推進中。今後も、シニア向け商品・サービスを拡充し、ヘルスケア領域等、高齢社会のさまざまな課題の解決に努めていきたいとしている。
 ニッセイ脳トレは、Alexaに対応したスマートスピーカー「Amazon Echo」に話し掛けるだけで利用可能で、Echoを持っている人なら、誰でも無料で利用できる。AlexaはEchoの頭脳となるもので、各社のサービスをAlexaに対応させることにより、「Alexaスキル」として、Alexaユーザーに提供することができる。Echoは、音声によりハンズフリーでの操作が可能。
 ニッセイ脳トレは、認知症研究の第一人者である朝田隆医師の監修により、ニッセイ情報テクノロジーが開発中の介護予防サービス(注)のノウハウを活用。同医師は、スマートスピーカー等の上手な利用により、脳の健康寿命の延伸が期待できるとしている。同社によれば、音声による認知症対策スキルは、Alexaに対応した取り組みとしては国内生保業界で初めてという(2月末時点同社調べ、特許出願準備中)。
 同社は、中期経営計画「全・進(ぜん・しん)―next stage―」で、「人生100年時代をリードする日本生命グループに成る」ことを目指している。生命保険事業と親和性のある「子育て支援」「ヘルスケア」「高齢社会対応」を中心に、これまでの枠を超えた「保険+α」の新たなビジネスを展開し、少子・高齢化や健康寿命の延伸等、社会課題への対応を進めている。
 2016年4月に、長いセカンドライフを「安心して・自分らしく」過ごせるよう、シニアの顧客に向けたニッセイ長寿生存保険(低解約払戻金型)「Gran Age」を発売。死亡時に保険金を支払うという従来の死亡保障とは異なり、死亡時の支払金を抑え、長生きした際に大きな金額を支払うという考え方に基づいて開発した「長生きのための新しい保険」で、死亡保障を行わず、解約払戻金を低く設定することで年金額(年金原資)を大きくした。
 「Gran Ageプロジェクト」では、顧客にとって魅力的な商品・サービスの開発に加え、全国約5万人の営業職員を中心としたフェース・トゥ・フェースの強みを生かし、地域社会への貢献活動等も積極的に進めている。
 ニッセイ脳トレの他、認知症への理解促進や認知症で困っている地域の人を会社としてサポートするため、今年1月時点で約1万8000人の認知症サポーターを養成。また、60歳以上を中心に、あらゆる世代の人たちが楽しみ、交流を深められるスポーツ、文化、健康と福祉の総合的な祭典「全国健康福祉祭(ねんりんピック)」に協賛し、ボランティア派遣などを通じて大会を盛り上げる取り組みを行っている。
 (注)元気な高齢者が自らの介護予防のため、認知症・フレイル・ロコモ等の対策トレーニングをお茶の間のテレビ等で実践し、問診により介護予兆を検知するサービス。18年中のサービス開始を予定している。