2018.03.20 日本生命 企業年金向け新商品、安定的な収益目指す「ターゲットリスク運用口」

日本生命は、確定給付企業年金等の企業年金向け新商品として、ニッセイ特別勘定第1特約「ターゲットリスク運用口」を開発し、6月に発売する。「ターゲットリスク」を設定し、定量ルールに基づいて、定期的にポートフォリオのリバランスを行うことで、リターンの変動を抑制しながら、モメンタム効果による収益獲得・損失回避を目指すバランス型運用商品。同社では、低金利環境下で、企業年金の運用に「収益確保と運用の安定化」の両立が求められていることを背景に、商品開発を行ったとしている。

 「ターゲットリスク運用口」は、国内債券、為替ヘッジ付外国債券、国内株式、外国株式、短資の5資産が投資対象。
 ポートフォリオ構築時のリスク(ターゲットリスク)を年率3%とすることで、リターンの変動を抑制する。中長期の想定リスクは年率3~4%程度としている。
 資産配分の基準を設けず、リバランスを行う際に、各資産の短期の実績データ(リターン・リスク・相関)を活用することで、市場のトレンドを捉えた収益獲得を目指す。
 例えば、株式の資産構成について、「株価下落局面」では、割合を大幅に圧縮または0%まで引き下げて損失の回避を狙う一方、「株価上昇局面」では、割合を引き上げることで、リスク量に比して高いリターンの獲得を狙う。
 運用は、定性判断を加えず、定量ルールに基づいて行う。
 日本生命では、「ポートフォリオ全体のリスクを低減させたい」「損失回避と収益確保を図った効率的な運用を行いたい」といった顧客のニーズに応える商品になったとしている。
 同社では、バランス型運用商品ラインアップのイメージとして、今回開発した「ターゲットリスク運用口」を、「安定収益追求口」よりリターンが高く、「総合口」よりリスクが低い商品と位置付けている。
 低金利環境下で、安全性資産である国内債券の収益に課題があることに加え、足元では市場環境が不透明さを増しており、企業年金の運用では収益確保と運用の安定化を両立することが求められているという現状がある。
 日本生命では、こうした顧客のニーズに応えるため、リターンの変動を抑制しながら、収益獲得を目指すバランス型運用商品を開発し、特別勘定第1特約のラインアップの拡充を図ったとしている。