2018.02.21 SOMPOHD 17年度第3四半期決算、連結で2桁の増収増益
SOMPOホールディングスがこのほど発表した2017年度第3四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比14.1%増の2兆8564億円で、このうち正味収入保険料は同15.6%増の2兆1796億円だった。生命保険料は同9.8%増の2538億円と堅調。北米ハリケーンの影響などにより、連結経常利益は1074億円と同580億円の減益となったが、損保ジャパン日本興亜の増収とSI(エンデュランス)のPL連結開始により、トップラインは拡大。SIの組織再編に伴う税金費用減少等が主な要因となり、第3四半期に大幅に進捗(しんちょく)率が改善した連結純利益は、同274億円増益の1372億円だった。修正連結利益は1501億円で、対通期業績予想(1950億円)に対し77%の進捗率を示している。
国内損保事業のうち損保ジャパン日本興亜は、自動車保険の収益性改善の影響で、保険引受利益が同87億円増の946億円だった。
正味収入保険料は、火災保険・新種保険を中心に引き続き増収を果たし、同1.1%増の1兆6361億円となった。種目別では、火災が同2.0%増の2086億円、海上が同9.8%増の359億円、傷害が同0.4%減の1390億円、自動車が同0.1%増の8066億円、自賠責が同1.8%増の2233億円、その他が同2.6%増の2226億円だった。火災は建物・家財セット割引など商品改定による契約件数の増加、海上は主に貿易量増加や大口契約獲得などによる契約件数増加、自動車は複数台割引の拡大など商品改定による契約台数増加が主因となってそれぞれ増収を果たした。その他は、中小企業向けパッケージ商品の販売が引き続き好調だった。
正味支払保険金は同2.9%増の9538億円。自賠責と家計地震を除いた正味損害率は国内自然災害などにより上昇したが、通期業績予想と同水準の61.6%にとどまった。主力の自動車保険のE/I損害率は、事故発生件数が減少していることから引き続き改善した。正味事業費率(自賠責・家計地震を除く)は同0.1ポイント増の33.8%と前年とほぼ同水準。また、コンバインド・レシオ(自賠責・家計地震を除く)は、通期業績予想と同水準で推移し、同2.4ポイント上昇の95.3%だった。
資産運用粗利益は、連結子会社株式の評価損の影響などで、同79億円減の713億円となった。政策株式削減額は974億円(ヘッジ込)に達した。ソルベンシー・マージン比率は前事業年度末比82.0ポイント上昇して759.0%となった。
国内生保事業で、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命は、新契約高(個人保険)が前年同期比30.1%減の1兆1608億円、新契約年換算保険料は同19.4%減の265億円だった。一方、保有契約は継続的に拡大し、保有契約高(個人保険と個人年金保険)は同2165億円増の22兆2085億円、保有契約年換算保険料は同201億円増(このうち保障性商品は71億円増)の3670億円だった。
当期純利益は、78億円で同3.6%減少したが、責任準備金負担増加の一方で保有契約の拡大もあり、通期業績予想(60億円)の水準を上回って推移している。
保険料等収入は同4.9%増の3196億円、経常利益は同2.1%減の154億円、基礎利益は161億円で同6.0%の増益となった。ソルベンシー・マージン比率は1580.9%で、前事業年度末比7.9ポイント上昇した。
介護・ヘルスケア事業等では、引き続き入居率が改善しており、当期純利益は前年同期比33億円増益の24億円で黒字となった。
海外保険事業は、SIのPL連結効果や組織再編に伴う税金費用減少等の影響で、北米が大きく拡大したことにより、収入保険料は同2715億円増の5110億円となった。修正利益は北米ハリケーンの影響があったものの、同260億円増加し398億円だった。
SIのグロス保険料は元受を中心に順調に拡大し、同3.3億ドル増の38.4億ドル。コンバインド・レシオは、北米ハリケーン等による損害率上昇や商品構成変化に伴う手数料負担増の影響で、同34.4ポイント上昇し、120.5%となった。
地域別では、北米の収入保険料が同2503億円増の2641億円。欧州は同72億円増の1030億円、アジア・中東が同6億円減の673億円、中南米はSompoセグロス(ブラジル)が損害率対策としての引受条件変更などを実行し、ボトムラインが改善傾向にあることなどから、同146億円増の765億円と好調だった。修正利益は、北米が同450億円増の474億円、欧州は北米ハリケーンやカリフォルニア山火事などの影響で同203億円減の▲155億円、アジア・中東が同27億円増の76億円、中南米が同12億円減の2億円だった。