2018.01.09 AIG損保 1月1日から営業開始、総資産1兆円超に
AIUと富士火災が統合して誕生したAIG損保が2018年1月1日から営業を開始した。合併により総資産は1兆円に上り、社員数約7500人、元受正味保険料が5000億円を超える保険会社となった。4年を費やした統合作業によって、十分に力を注げなかった商品やサービスの開発を加速させ、新たな価値を提示することでマーケットの支持をつかめるかが、新会社を成長軌道に乗せる上でのポイントになる。4日には、本社をはじめ各拠点で新会社のスタートを記念したレセプションが行われた。
合併前の両社を合算すると、新会社の総資産は、AIUの1828億円と富士火災の8243億円で1兆71億円(16年度決算時点)、社員数はAIUの約3500人と富士火災の約4000人で7500人体制になる(17年10月時点)。また、元受正味保険料(収入積立保険料を含む)は、AIUの2511億円と富士火災の2808億円の合算で5300億円強に上り(16年度決算時点)、3メガ損保グループの4社(損保ジャパン日本興亜、東京海上日動、三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保)に次ぐ規模となる。
AIUと富士火災は2000年に業務提携し、11年に富士火災がAIGの100%子会社になったのを機に、代理店システムの共同開発、商品の代理代行販売、人材交流などで連携を加速させてきた。ただ、13年7月の合併発表以降の約4年間、会社のリソースを統合作業に集中せざるを得ない状態が続いていた。
新会社では、これまで両社がそれぞれ提供してきた既存商品の特長ある補償を融合させた新商品を開発する。また、組織を大きく個人、中小企業、大企業・中堅企業の3セグメントに分け、それぞれの顧客のニーズやリスクを総合的に分析しながら、幅広い補償内容から適切なプランを設計するリスク・コンサルティングを営業の軸に置く。さらに、事業戦略コンセプト「ACTIVE CARE」に基づき、経済的補償といった従来の保険商品の役割に加え、事前に顧客のリスクを整理し、回避・軽減するためのアドバイスやサービスなど顧客に新たな価値を提示することで成長を図る。
同社のケネス・ライリー社長は「統合に向け時間をかけて丁寧に、安定的に事業運営を行えるよう土台づくりを進めた結果、ようやく新会社を誕生させることができた。『アクティブ・ケア』のコンセプトを具現化していくことで、日本の保険業界を変えていけるよう、全ての力を込めて事業を進めていきたい」としている。