2017.11.13 SBI生命 「想定の倍」6月発売の団信好調、地銀での販売も開始へ
SBI生命が今年6月に販売を開始した「団体信用生命保険+団体信用就業不能保障保険」が好調だ。住信SBIネット銀行が提供する住宅ローン商品のうち「ミスター住宅ローンREAL」「フラット35」「提携住宅ローン」「ミスターパッケージローン」の新規契約者が加入できる保険で、当初想定の2倍に迫る件数を販売している(注1)。同社の飯沼邦彦社長は、「他社のほとんどの団体信用就業不能保障保険が、がん、3大疾病・8大疾病などに限定しているが、当社の商品は『疾病を限定しない』点が大きな特徴だ。SBIグループの銀行で実績を挙げたことから、今後、地銀などでの販売を本格化させたい」としている。また、グループ各社との連携もさらに強化する方針だ。
同商品の特徴は、被保険者(住宅ローンの利用者)が、債務返済期間中に傷害または疾病(精神障害等、所定の免責事由に該当する場合を除く)によって就業不能状態になったとき、「就業不能保険金」を月々の債務の返済に充当できる点。また、債務繰上返済支援特約を付加することで、所定の期間〔8大疾病(注2)の場合は12カ月、それ以外の場合は24カ月〕を超えて就業不能状態が継続した場合に、ローン契約の債務残高相当額の保険金が支払われローンを返済できる。
さらに、団体信用生命保険の特約として、「リビングニーズ特約」「重度ガン保険金前払特約」「先進医療特約」も用意している。
飯沼社長は、「住宅ローン市場は、金利の競争に限界があるため、それ以外での差別化が必要。当社の団信は、カバー範囲が広いために好評だ。従来メーンとしていた終身医療保険や定期保険に加えて、主力商品に育てていきたい。SBIグループならではのインターネット申込完結による銀行のお客さまへの利便性の向上、さらにこれらを企業努力により競争力のある保険料率で実現していることから引き合いも多いため、地域特性に合わせた商品にアレンジして、地銀や信金にも提供していく」としている。
SBIグループでは、地銀との連携を深めており、例えば、SBI証券は清水銀行や愛媛銀行などと業務委託契約を結び金融商品の提供を開始している。SBI生命による地銀との取り組みは、グループ戦略の一環でもある。
飯沼社長は、「複数の地域金融機関が、SBIインベストメントが運営・管理する『FinTechファンド』に出資したり、SBIホールディングスとSBIリップルアジアが事務局を務める『内外為替一元化コンソーシアム』にメンバーとして参加したりしている。当社としても、柔軟性のある団信を核に地方金融機関との連携を進め、新しいInsureTechにも取り組みたい」と今後へも意欲を見せている。
(注1)住信SBIネット銀行では、以前から三井住友信託銀行の「ネット専用住宅ローン」を銀行代理業者として販売している。そちらの住宅ローン商品については、カーディフ保険の団信を提供している。
(注2)8大疾病とは、悪性新生物、急性心筋梗塞、脳卒中、高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎のこと。